会社の連休が9日の金曜日からだったので、憧れの燕山荘を予約して、燕岳に嫁さんと2人で行ってきた。
燕岳は北アルプス(長野)にある、2763mの花崗岩でできた独特の形をする、日本二百名山である。
中房温泉から合戦尾根を登る登山道は、北アルプス三大急登と言われている。
一方 燕山荘は大正時代に開業した歴史ある山小屋で、合戦尾根~燕山荘~大天井岳を経て槍ヶ岳に至る表銀座縦走コースの起点であり、どこの山に行っても「燕」と背中に書かれたTシャツを着ている人がいる、人気の山小屋である。

涼しいうちに登ろうということで、木曜日に帰宅して22時半に自宅を出発。
中央道~長野道 安曇野ICを降りて、最後はすれ違いもままならない中房線を詰めて、3時過ぎに現地に到着。
駐車場は狭くほぼ満車だったが、なんとか第1駐車場に停めることが出来た。
しばし仮眠をとった後、サンドイッチを食べて準備をして5時過ぎに出発。
15分ほど車道を歩くと中房温泉登山口に着く。

登山届けを提出して5時40分に登山スタート。
いきなり木段多めのつづら折りの急登である。
早朝なのでまだそこまで暑くはない。
約20分で第1ベンチに到着。
しばし休憩・・・。
ここから更に急登となる。
頑張って30分ほど登ると第2ベンチ。
ここで山荘まで1/3の行程。
そろそろ暑くなってくる。
縦走登山者も多く、とてつもない大きさのザックを担ぎ、ゆっくり ゆっくりと登っている。
ここから急登30分で第3ベンチ、更に40分で富士見ベンチに着く。
この辺りから下山者も増えてきて、狭い登山道で譲り合いながら登っていく。
富士見ベンチから20分登ると 合戦小屋まで10分、更に頑張ると5分とカウントダウン標識が出てきて、背中を後押ししてくれる。
9時にようやく合戦小屋に着いた。
ここでは定番のスイカを頂き、しばし休憩する。
ビールを飲みたかったが、寝不足と 暑さと 残りの行程 を考慮して我慢した!!
山荘まで残り1/3である。
15分ほど登るとP2488(合戦尾根の頭)に三等三角点がある。
ここからは森林限界を越えて、見晴らしが広がっいくと同時に、花も増えてくる。
ただ残念ながら雲が広がってしまっている・・・。
あとひと踏んばりというところで、下山者から「もうすこしで絶景が待ってるから頑張って!」と声をかけられる。
ホントに雲が晴れるのか??と半信半疑で登っていくと、お花畑の向こうに青空と燕山荘が見えてテンションアップ!!
疲れも忘れて最後の木段を登りきると、確かに絶景が広がった。

10時半にようやく燕山荘到着である。
南東には堂々と槍ヶ岳がそびえ、そこから北アルプスの名峰がズラ~ッと並んでいる。
こんなに間近で槍ヶ岳を見たのは初めてだ。
小槍、孫槍までハッキリ見える。
テンションMAXだ!
正面(北)には燕岳が白く輝いている。
しばし眺望を満喫して燕山荘にチェックイン。
さっそく「燕」Tシャツを購入して燕岳と燕山荘をバックに記念撮影した。
この頃になると雲が出始めた・・・。
まずは山荘のテラス席でソーセージをつまみにビールで乾杯して、ビーフカレーとうどんを頂いた。
食後も雲が広がっていたので、燕岳への登頂は明朝にすることとして、5時の夕食までゆっくり昼寝をすることにした。
部屋は6人のところが、他のご夫婦と4人だったので少しゆったり出来て良かった。
しばし爆睡をして目を覚ましたが、まだ3時なので少し散歩をした。
ここはコマクサが有名である。
昔はもっと群生していたらしいが、一時期ほぼ壊滅したものをご苦労されてここまで復活したそうである。
散歩のあとはカフェタイム。
普段の喧騒を離れて、まったりした時間が流れるのは久しぶりで、それも2500mの高所であるのが不思議な感覚である。
夕食はハンバーグと魚がメイン。
ハンバーグはトロトロチーズ入りで、山で食べれるレベルではない。
食後には山荘オーナーの名物であるホルン演奏を聞かせてもらえる。
ご病気をされていたとは思えない迫力のある音色である。
その後 夕陽を楽しむために外に出た。
下界は熱帯夜が続いているが、ここではTシャツ 1枚では耐えられない寒さである。
しばらく夕陽を待っていると、ライチョウの親子が現れた。
ヒナは既に結構大きくなっている。
しばしチョコチョコ歩きまわって巣に帰っていった。
6時半頃から周囲が赤く染まりだす。
雲も相まって幻想的な槍ヶ岳。
燕岳も。
北アルプスの峰々。
寒さも忘れるような幻想的な世界を満喫した。

昼寝をしたものの翌朝のご来光を楽しみに、8時頃には就寝した。

=後編につづく=