私はしばしば、音が微妙にズレてしまいます。


私の耳では「♭ミ」でちゃんと音を出しているつもりですが、先生の耳では「もう少し高く」「もう少しだけ低く」など言われます。(私の場合、大体若干低めに弾いてしまいます)

 

ピアノだと、音を狙い定める必要はないのですが、ヴァイオリンは自分で音を探さなければいけません。これが大変。

 

そこでチューナーを持ってくると、「♭ミ」は許容範囲だった。正確ではないけれど、♭ミとして認識して良いレベルだった、という結果でした。

 

(注釈:音には周波数があって、たとえば♭ミでも、その半音階上のミ寄りか、その半音階下のレ寄りか、幅があるということです。周波数が10ヘルツ以内であれば、許容範囲内とされていて、それ以上かけ離れると音が違うということです。
フィギュアスケートで言えば、10ヘルツ以内は回転不足を取られない(出来栄え点で減点)けれど、10~20ヘルツ程度の誤差なら回転不足20ヘルツ以上の誤差であればダウングレード…3回転ジャンプを跳んだつもりが2回転判定される、というような感覚です)

 

というようなことを話していたら、別の先生が、「音感の違いかな?」とポツリ。

 

先生は自己申告で絶対音感はない、とのこと。だけど、音階はビシビシ決まります。それも正確に。私は音はとれているんだけど不正確。

 

音楽をやっている人の間では絶対音感信仰が根強いですが、こういうところで、あまり絶対音感が優れているとは思わないです。正直、絶対音感に頼りすぎるとヴァイオリンにおいては間違った音(不正確な音)で覚えてしまう

 

先に書いたとおり、ヴァイオリンのレッスンではプラスマイナス10ヘルツ程度は誤差の範囲としてもいいんですが、その日の湿度や環境によっては、その程度の音の誤差であってもおかしいと感じることがあります。フィギュアで、「これは大丈夫でしょ!」というようなときでも、なぜだかアテンション(不正エッジ)が取られていたり、回転不足判定になっていたりするような感覚でしょうか。

 

単音では許容範囲でも、曲の流れでは不協和音に聴こえてしまう恐れもあります。もちろん、曲調によってはわざと正しい音より若干高く低くすることはありますが、そうするにしても、正しい音を出せることが前提ですから。

 

確かに絶対音感は、音を掴むとっかかりが早いのは利点でしょうが、基礎練習を積むうえでは決して必要な能力ではない気がします。むしろ正確な相対音感があるほうが、ヴァイオリン奏者としては有利に働く気がします

 

先生に、「耳に頼り過ぎない」と言われるのは恐らくこのことで、ちゃんと指と指の開きや間隔を覚えて、正確な音を出して欲しいということなんだと思います。

 

正しい音は大体覚えているんだけど、でもやっぱり「これでも許容範囲じゃない?」という音が出てしまうと、そのままになってしまうのがいけませんね。矯正しなくちゃ。