よく、私は寺社めぐりをしているので、そればかりを聞かれることが多いのだが、あまり拘ってはいない。なんとなく落ち着く、雰囲気が好き、和風が好み、それぞれに個性がある、という程度で、別に何が何でも行かなければ!という使命感は持っていない。そもそも御朱印を集めだしたのだって、外国人の友人に感化されて始めたほどだ。
ということで、今回は「実は西洋ものも好き」ということで書いてみましょうか。
洋風のものが嫌いなのか、というとそんなことはない。食器だと、一時期は少しずつロイヤルコペンハーゲンのティーセットあたりから揃えていこうか、と考えたこともあった。海外旅行もここ10年ほどは行けていないが、ハワイで海外デビューしてから、アメリカ本土を2都市、カナダ1都市、シンガポール、オーストラリア3都市と行っている。そのうちアメリカ本土とカナダは、1ヶ月の語学研修(とホームステイ)で行ったものだが。
実はヨーロッパ風の古典的な建物が好きだったりする。日本に比べれば下水道の発達が遅れているというが、あの景色には憧れる。日本の近代的なビル群に見慣れてしまっていると、自然と調和した古めかしい建物が味があって、どうも惹かれてしまう。歴史的には、そこで血なまぐさい政争だの愛憎劇だのが繰り広げられていたのだが、それを感じさせない、つんとした佇まい(凛とした佇まいではない。つんとした、である)を、ぜひこの目で見てみたいと思う。
神戸や横浜、函館など、居留地と呼ばれる地域のある港町は、ミニ・ヨーロッパといった雰囲気を感じさせてくれる。居留地自体は、そう歴史のあるものではないのだが、国内で楽しむ分にはこれで十分だ。私は関西の人間なので、神戸のことは多少知っているが、神戸の異人館めぐりはちょっと寺社めぐりとは違う趣があって、私は好きだ。函館もじっくり異人館めぐりをしたことがあるが、旧イギリス領事間(?)でのアフタヌーンティーが忘れられない。寺社でお抹茶をいただくときは、心静かに厳かにしているが、異人館でいただくティーやコーヒーのときは、小さな貴婦人気分を味わえる。少し宝塚歌劇を見に行くときの感覚に似ている。
寺社めぐりと西洋風の古めかしい建物…そうか、私はレトロなものが好きなのか、と今更気付いた。レトロはレトロでも、ちょっと非日常体験ができるのがいい、ということだろうか? それはともかく、世界のことを知るにはまず、日本のことから、というのが日本人たる私の信条ではあるが。