川原で見つけた
白い曼珠沙華






朝、バアバ(母)
から電話がありました。





バアバ
『お彼岸だから
お墓を綺麗にしてきたよ。

ジイジの四十九日が
あったばかりだから
お墓も綺麗だけどね。

まだ
ジイジがそこにいそうで、
寂しくなるね。

あれから出てくることはないから
ちゃんとあの世に行けたのかな。

働かなくてよくて
みんな平等、
よいとこなんだと
和尚さんが言ってたよ』






なんて
たわいのない話。





コロナで二年半会えず
その間に病気で痩せ細り
亡くなってしまった父に

一番実感がないのは私。






ダメだ、

まだ考えると
涙が出てくる。






落ち着いたら
お墓参りに行こう。








此岸(しがん)この世
彼岸(ひがん)あの世

の境目に咲く花と
言われている曼珠沙華。










【お彼岸】

「彼岸」はサンスクリット語の「波羅密多」から来たものといわれ、煩悩と迷いの世界である【此岸(しがん)】にある者が、「六波羅蜜」(ろくはらみつ)の修行をする事で「悟りの世界」すなわち【「彼岸」(ひがん)】の境地へ到達することが出来るというものです。

太陽が真東から上がって、真西に沈み昼と夜の長さが同じになる春分の日と秋分の日を挟んだ前後3日の計7日間を「彼岸」と呼び、この期間に仏様の供養をする事で極楽浄土へ行くことが出来ると考えられていたのです。


















バアバ
『帰ってこないから
よほど良いとこなんでしょ

ジイジがいると思うから
私も怖くないねえ。』







私が考えるには
まだ早いと思いますが

同じことを
感じていました。






死ぬことを目前にしたら
それは怖いとは思いますが、

いろいろな事を
自分なりにやりきれて

それが天寿なのであれば

父が向かえに来てくれるだろう、
と。









お葬式が終わり
福と家の前の
海岸を散歩しました






海岸前に
ジイジの軽トラが
停められていて、






今にも

『おーいっ!
福~~っ!
どーこ行ってきたんだよ~』


と、ジイジが
車から降りてきそうで






海岸で泣いてしまった。






福も
『ジイジが乗ってそうだもんね』

と、慰めてくれました。









親がなくなることは
誰しも通る道。






私も
シッカリしなければ。