私の知人が、以前、余命数ヶ月を宣告されました。
彼は仕事をやめて、日本全国にいるかつての恩人たちに一人一人挨拶に行きました。
「からだが動くうちに、逢って御礼を伝えたい。おかげさまで私の人生は楽しかった!」
彼は日本全国を飛び回りながら、「ありがとう」という言葉を恩人たちに伝えました。
誰もが皆わかっていました。
「これが彼に逢う最期の機会であり、別れのときである。」
だからこそ、本音で語り合い、そして、涙と笑顔で別れました。
彼は、別れ際に必ず伝えました。
「本当にありがとう。あなたに逢えてよかった。じゃあね。」
彼は感謝を伝えきって旅立ちました。
出逢いを大切にできた人は、別れも大切に出来ます。
人生は別れ際に価値があらわれることを教えてくれたのは、彼でした。
見事な生き方だと思います。