余命宣告を受けた人のカウンセリングをしていたとき、命の大切さを知っている人ほど、古典などの過去から学べる精神性の高い本を読むことを知りました。

限られた時間で先人たちの智恵や良き教えを吸収したいという思いからです。

 

日本は平和になりましたが、その反面で命の大切さを忘れて、時間が無限にあると勘違いしている人も多いです。

その結果、過去への向き合い方も変質して、過去にこだわりすぎて現在の自分を受け入れていない人や、過去を認めていない人が増えてきたのです。

 

過去は現在の自分を形作っているものと素直に認めれば、忘れる必要がある過去以外は、ほとんどの過去の生かし方を見つけて、大切なものに変わっていきます。

忘れられない出来事は忘れてはいけないことでもある可能性がありますから。

 

過去は大切ですが、それにこだわるか、それとも生かすかで人生は大きく変わります。

過去を「自分のやり方が正しいと証明するための補足資料」として現状維持の道具にするのか、それとも「自分のやり方を広げるための材料」として未来への架け橋にするかで、大きく変わるということでもあります。

 

人生の時間は常に減り続けていますが、過去をどう受けいれて生かすかで時間の密度や価値が変わり、現在も未来も大きく変わりますね。