アルフレート・ブレンデルは1931年チェコスロバキア生まれのオーストリア人、ピアニスト。ウィーン音楽院でシュトイアーマンらに指示するものの上手くいかなかったようだ。シュトイアーマンは、アルフレートの事は高く評価していたようで後世に述べている。
アルフレートのピアノは、一言でいうと中庸。決して凡庸ではない。特にウィーン古典派、ドイツ・ロマン主義派の作曲家および演奏方法を得意としている。楽曲解釈と表現の間にギャップがなく、真摯なスタイルが万人に受容された理由だと思う。僕の記憶が正しければ、最初にベートーヴェンのピアノ・ソナタの買ったレコード!が、アルフレート・ブレンデルだった。当時はアルフレッドと呼んでいたと思う。
さて、リンクの動画は、シューベルトの「4つの即興曲」作品90、D899。1827年頃の作曲だ。シューベルトは1828年に亡くなるので最晩年の楽曲になる。シューベルトの父はモラヴィア(メーレン)から移住した人物で、アルフレートが生まれた地方もモラヴィアなので、時代が離れた同郷同士といって良いだろう。幼少期にリヒテンタールの学校に通っているが、この点もアルフレートも同じだ。そして二人ともウィーンへ出て行く。
このD899は、難度的には中級レベルで、音楽教室の発表会などで演奏されることも多い。しかし、歌わせるという点に重点を置くと、急激に難しくなる。これをいとも簡単そうに演奏しているアルフレートは、さすがだと言わざるを得ない。演奏技術的には、やや高い位置に手を置く奏法は、この楽曲演奏においては理にかなっている。まぁアルフレートが大柄ということもあるが、正しい姿勢で演奏を心がけているという点では、良い教師だ。
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