今回の法語である。


『 胸のド真ん中 ココロの磁石が
  目覚める「夢」の鼓動をおしえる
  君は出会うだろう
  ただ一つだけの宝が誰にも眠っているんだ
           「轟轟戦隊ボウケンジャー」より 
   』



実はあの日野原重明先生(聖路加国際病院理事長)も、
同じようなことをおっしゃっている。
「自分の中に眠っている数々のよい遺伝子のスイッチを、
どれだけオフからオンに切り替えることができるか。
スイッチのレバーを握るのは自分です。
新しい自分との出会いは、いつでもあなたの目の前に用意されています。」


今年で30代目を迎えるスーパー戦隊シリーズに、
ウチの子供らは今どっぷりハマっている。
しかも・…初代「秘密戦隊ゴレンジャー」世代の私もどっぷりハマっている。
2年前の「特捜戦隊デカレンジャー」から長女が見始めて以来、
1度も欠かさず見続けている。それどころか子供らは、
DVDの“スーパー戦隊主題歌大全 VOL.1&2”で、歴代戦隊の主題歌を覚え、
“決定版 全スーパー戦隊完全超百科”で、全ヒーロー名と役名を覚えてしまった。
この幼児期にいろんなモノを記憶するのは脳の発達に良いそうなので、
実はシメシメと思っている。
だから昔の戦隊モノもTUTAYAでちょくちょく借りてきて見せている始末だ。



2006/8/24(木)の朝日新聞に俵万智さんが、
スーパー戦隊モノで面白いエッセイを載せていたので紹介したい。


「  かーかん、はあい ~子どもと本と私~
 テレビの人気者というのは、不思議なことに、まだテレビを見ていない子どもにも人気がある。アンパンマンとかドラえもんとかトーマスとか(みんな顔がまんまるだ)、絵を見るだけで反応し、喜ぶ子が多いようだ。
 息子は、アンパンマンが大好きで、マグカップやカスタネットなど、アンパンマンの絵がついているものを愛用している。今ではビデオも見ているが、一歳のとき、はじめに買ったのは『アンパンマン(フレーベル館・893円)という絵本だった。1976年の初版で、平仮名の「あんぱんまん」だ。ジャムおじさんも登場するけれど、その名前はまだない。困っている人を助けるために、自分の顔を食べてもいいと差し出す、ぼろぼろマントの正義の味方。『幸福の王子』を思わせる自己犠牲の精神が、胸を打つ。それでいて、どこか呑気な愛嬌があって、王子ほど悲壮でないのがいい。あとがきで作者のやなせたかしさんが、「さて、こんな、あんぱんまんを子どもたちは、好きになってくれるでしょうか。それとも、やはり、テレビの人気者のほうがいいでしょうか。」と書いておられるのが印象的だ。つまり、アンチだったアンパンマンが、今ではそのテレビの人気者になっている。
 怪獣と戦ったりするヒーローものは、まだ早いかと思っていたが、幼児雑誌に出ていた「轟轟戦隊ボウケンジャー」にも、息子は夢中になった。本に出てくる乗り物の名前と性能は、すべて丸暗記している。「ゴーゴーマリン、ピンクが乗るビークル。ふかいうみのなかでもへいき」・・・・・・将来まったく役に立ちそうにない知識だけれど、丸暗記という経験は大事かなとも思う。
 ボウケンジャーは現在六人で、レッド、ブルー、ブラック、ピンク、イエロー、シルバーがいる。「何色になりたい?」と聞くと「ボウケングリーン!」と言う。緑色のスーツを着たボウケンジャーはまだいないので、そこを狙おうと考えたらしい。私の弟が子どもの頃は、ゴレンジャーというのがあって、弟は赤レンジャーになりたくて、いつも友だちと、どちらが赤レンジャーになるかで揉めていた。同じ子どもでも、発想のしかたが違うのが、おもしろい。
 夏風邪をひいたときには「やっぱりボウケングリーンになるのはやめる。たたかうとつかれるから」と弱気になっていたが、やや回復してくると、今度は別のことを言い出した。
 「あのね、うすいピンクになることにした!」
 「うすいピンク?」
 「それでね、ボウケンピンクのゴーゴーマリンに乗せてもらうの」
 つまり戦うのはいやだけど、乗り物には乗りたいということらしい。なんだか情けないような気もするが、小さな脳みそで一所懸命考えた結果だ。自分なりの答えを見つけたのだから、よしとしようか。


 先週の法語用紙のお持ち帰り数は33枚だった。