今回の法語である。
『 練習も楽しくやらなきゃ、
本番に苦労が出ちゃうから。
辛いことも楽しくやらなきゃ、
光が出ないから。
萩本欽一 』 113枚
タレントの勝俣洲和さんが、欽ちゃんに教えてもらったことだそうだ。
辛いときこそ、笑顔でいることは、光を出すためだったんだーって。
どんなに辛くても、ニコニコしていれば、きっとキラキラオーラが出るんだろう。
芸人のよゐこの濱口さんが、インタビューにこう答えていた。
「仕事が決まったときに、まず何を確認しますか?」
「台本を見て、勝俣さんがいるかどうかを確認します。」
「どうしてですか?」
「勝俣さんがいると、楽しいから。」
師匠から素敵なことを教わって、それを実践している弟子。
そして、それが他の人にも伝播していく。
そこからどんどんプラスの連鎖が起こっていく気がする。
フジテレビ系の「SMAPxSMAP」8/25放映のビストロスマップにて、
ゲストのオリンピック連続2冠の北島康介選手に、
ギャルソン役の中居さんがこう質問した。
「 この4年間、何を犠牲にしたの?」
「 何も犠牲にしてません。
何かを犠牲にしてたら、
続けることなんて無理です!
ただ泳ぐのが好きだからできただけです。 」
無理矢理でも楽しもう。
ちなみに、この欽ちゃんの考え方は、仏教の『無財の七施』に相当するものである。
その布施にはいろいろな形がある。ここではそのいくつかを紹介したい。
先ず、一般的な「お布施」は「財施」と呼ばれるものだ。言葉通り財産を施すことである。法事やお葬式の際にお坊さんはお経をあげ時には法話を行い、その後、檀家さんはお坊さんにお金を渡す。実は、この法事でお経を読むことや、法話をすることも僧侶が行う布施の一つなのだ。お経を読んで正しい仏様の教えを説くこと(法施)や、法話やご祈念によって恐怖を除き安心を与えること(無畏施)は僧侶ならではの布施の形である。だから檀家さんと僧侶はお互いに布施行を行っている訳だ。
なお布施は僧侶と檀家さんの間だけで行われるものではなく、いつでもどこでも誰にでも行うことの出来る布施もたくさんある。以下に『雑宝蔵経』というお経に説かれている、お金を使わないで財産に関係なくいつでもどこでも誰にでも行える7つの布施『無財の七施』を紹介する。
1 眼 施 慈眼施ともいう。慈しみに満ちた優しいまなざしで全てに
がんせ 接する行為。温かい心は自らの目を通して相手に伝わるのだ。
2 和顔施 和顔悦色施ともいう。いつも和やかで穏やかな顔つきで
わげんせ 人や物に接する行為。喜びを素直に顔の表情に現す。
3 愛語施 言辞施(ごんじせ)ともいう。文字通り優しい言葉、
あいごせ 思いやりのある態度で言葉を交わす行為。
4 身 施 捨身施ともいう。自分の身体で奉仕をする行為。
しんせ 身体で示すことをさし自ら進んで他のために尽くす。
5 心 施 心慮施。他のために心をくばり心底から共に喜び共に悲しむこと
しんせ ができ,他の痛みや苦しみを自らのものとして感じ取れる心持ち。
6 牀座施 例えば自分が疲れていても電車の中で喜んで席を譲る行為。
しょうざせ 競争相手にさえも自分の地位を譲って悔いなく過ごせること。
7 房舎施 風や雨露をしのぐ所を与える行為。自分が半身濡れながらも、
ぼうしゃせ 相手に雨がかからないように傘を差し掛ける思いやり。
このように、一口に布施といってもいろいろな形の布施がある。そして、どの布施にも共通して大切なことは、誰かに強制されてイヤイヤ行うものではなく、見返りを求めたりするものでもないということだ。
一般的には布施とは成仏する為に徳を積む「自分の修行」であると思われているが、この『無財の七施』は人間関係の潤滑油となるであろう。