今回の法語である。



 虎が強いのは、森を守るためだ!

  強いやつは優しいんだ!

  みんなに強さを分けてやらなきゃダメなんだ!


  ゲキレッド(獣拳戦隊ゲキレンジャー7/8より)  』  51枚





「優しさ」「美しさ」「努力」が、

建て前や綺麗事、カッコ悪い事だと考える世代が増えて久しいが、

周りの反応や価値観を気にし過ぎて、

子供たちは素直な本当の自分を表に出せなくなっているように思う。

個性が尊ばれているようで、実は相変わらず、

出る杭・出ようとする杭は打たれ、出過ぎた杭は抜かれているのである。


今期のスーパー戦隊シリーズは、

味方も敵も修行しないと強くならない点が、教育的に好ましいと思う。

「暮らしの中に修行あり」なんて言いながら、

ウチの子供らは嬉々としてお手伝いしてくれる。

自分の好きなことを、やりたいことをやれば良いのだということを、

3人3様(心・技・体で場合分け)の成長振りを通して、

今後どのように映像化してくれるか楽しみである。


今回のトラの強さと優しさの比喩は、子供には分かり易いと思う。

高貴な人の崇高な義務という意味の「ノーブル・オブリージュ」とか、

日本でいうと名誉と誇りを大切にする「武士道」になるが、

要は弱い者イジメはするなということだ。


確かに、野生の肉食獣は、必要以上に獲物を殺さない。

そのルールを破るのは、人間くらいでしょう。

人間は、食料を分けてもらいながら地球を食い荒らしてる。

日本人がエビを食べる為にマングローブ林を潰し、

放牧のし過ぎで土地が砂漠化したり...。

穀物をそのまま食べれば多くの人が飢えずに済むのを、

食肉したいから動物に食べさたり、ガソリン代わりにしたり...。

大体、我々は自分が何を食べているかすら全く把握できてない。


トラは、生きる為になわばりを守ってる。

でも、それは単なる生きる術である。

ゲキレッドの言う「優しさ」ってのは結果論であって、

自分の食料を確保するための手段にすぎない。

他者を殺して生きているものが行う「必要悪」であり、

自分が生きる為の行為が、環境を守る事になっているだけだ。

決して綺麗事なんかじゃないのだ。