今回の法語である。



『 ひらがなで


  なやみぜーんぶ


  かきだして


  みればたいした


  ことはなかった


        有田里絵 』   63枚 +\105



『  朝日新聞「天声人語」6月9日--平仮名でつづる人生もいい

平仮名のことを「女手」とも呼ぶ。そのせいでもないだろうが、平仮名でつづる言葉は角がとれて感じられる。先月の朝日歌壇に、こんな作品が載った。
 〈ひらがなで なやみぜーんぶ かきだして みればたいした ことはなかった〉。作者の有田里絵さん(30)は去年の朝日歌壇賞を受けた。いま子育て中だ。日々、色々な気疲れがある。それを書き出すことで気持ちを整理するという。少々深刻なことは平仮名で書いてみる。心の角がとれて、軽くなってくる。
 心の荷を下ろせずに自殺した人が、警察庁のまとめで昨年、9年続けて3万人を超えた。なかでも学生・生徒は、統計を始めた1978年以降で最も多い。遺書の多くは学校での問題に悩み、格闘した心の様をとどめていた。
 東京のある私大で新入生に聞いたら、半数が「自分は傷つきやすい」と答えたという。柔らかい心はすぐ傷つく。若者の特権だろうが、克服する力が弱いらしい。小さなつまずきが絶望に結びつきかねない。
 有田さんは中学生時代、誰彼なく順ぐりに標的にするいじめに遭った。死を思った日もあるが、悩みをノートに書くと、不思議に気分は落ち着いた。
初子を産んだ一昨年からは、小さな命をいとおしむ歌が増えた。〈ふええんと一声泣いてまた眠る夢の中まで行けなくてごめん〉。赤ちゃんへのメッセージを込めた歌もある。〈人生を始めたいから生まれ出るI was bornとは言いながら〉。悩まぬ人生はないけれど、重いものもなるべく軽く。平仮名でつづる人生もいい。 』





実際に自分の悩みを平仮名で列記してみると、

幼稚っぽい話に見えてきて、悩み、問題も小さく感じられる。


我々は、問題の大きさを実感しているつもりだが、
実は往々にして、問題の大きさよりも、

自分の感じ方の大きさに支配されているのかも知れない。

大したことないのに、重く受け止め過ぎたり、
大切なのに、軽く見下してしまったり…。

悩みや問題を解決するためには、
自分の中にちゃんとした思考能力がなくちゃいけない。

そのためには、自分の感じ方に支配されすぎないこと。

ひらがな解決法は、その一助になるかも知れない。