今回の法語である。
『 落ちるところまで落ちたら
掘れ! 養老孟司 』 38枚
いつも向上することばかり望まれて、
それに応えなきゃいけないと思い込んでいるのが、
我々や世間なのでしょう。
落ちこぼれや取り残されることは恥なんだと教え込まれている。
でも、無理して上ってばかりの生活じゃなくて、
開き直って下りていける生き方も実はアリなんじゃないかなぁ。
ある精神障害者の方々が、
自分達がどんな人間なのか地域の方々に理解してもらおうと、
公民館で「お話の場」を設けた。
その公民館の前に出した立て看板に
「差別・偏見 大歓迎!」
と書いてあったらしい。
こういう開き直り、な~んかいい、って感じがする。
これが開き直る生き方って言うんだろう。
「落ちるトコまで落ちたら掘れ!」っていうのは、
「落ちるトコまで落ちたらもうしまいや~」ではなく、
「まだまだ下あるで!」みたいな。
「上で見つからなかったものが下で得られるかも知れんで」
という感じなんかな。
人生の行き詰まりが終点じゃなくて、
行き詰まりが出発点となる道が仏法でしょうから、
常識を壊してみたら、
思わぬところに出口があるかも知れない。