今回の法語である。


『 人生では挑戦するのに年齢なんて関係ない。
  そもそもこの世に時間などない。
  それは人間が勝手に作ったものだ。
  私は時計師だからそのことがよくわかる。
                  フランク・ミュラー
  』




天才時計師の言葉だけに、妙に説得力を感じてしまう。


今は、水晶振動子(クォーツ)を使う時計が主流だが、
ゼンマイ時計が主流の頃には、職人の調整具合で、1分1秒が変わってしまう。
時計師が時間を作っている、と自負していてもおかしくはない。

でも、時間などない、と思えたら本当に気楽だろう。
我々人間は時の流れにただ身を任せ足跡をつけているだけ。
そして、過去の記憶や未来の予定に、今現在の自分の存在価値を見出そうとしている。


こんな言葉を思い出した。

「気にしない。気にしない。百年たったら皆この世にいないんだから。」

良い瞬間にも、そうでない瞬間にも、執着し過ぎない。
幸か不幸か、自分の時間は死ぬまで流れていくのだから、

正に、「禍福はあざなえる縄の如し。」 「人間万事塞翁が馬。」

過去や現在が良いからって図に乗ることなく、逆に悪いからって卑下することもせず、

淡々と生きていきたいものだ。



 先週の法語用紙のお持ち帰り数は41枚だった。




【フランク・ミュラー】
“時計界の魔術師”“黄金の手を授かった男”など様々な異名を持つ天才時計師フランク・ミュラーはスイスのラ・ショード・フォンに生まれ、ジュネーブ時計学校で技術と知識を習得した後、アンティークウォッチの修復師としてキャリアを積みながら顧客のオリジナル時計を製作、その後1992年フランク・ミュラーを創業。すべての部品に光る卓越したクラフトマンシップと数々の特許を取得した時代の先端をいく時計技術は瞬く間に世界的な名声を彼とブランドに与えた。伝統と革新を重んじながら、独自のスタイルを探求するフランク・ミュラーの冒険はまだまだ始まったばかりだ。