今回の法語である。


『 意を曲げて

  人を喜ばしむるは

  躬(み)を直(なお)くして

  人をして忌ましむるに

  若かず。

          洪応明  』



中国明代の洪応明(こうおうめい)の言葉だが、

『自己の信念を曲げて人を喜ばせるよりは、

自分の行いを正しくして、人に嫌われる方がましである。』

という意味である。


積極的に「他人から嫌われたい」と望んでいる訳ではないだろう。

応明は、処世上の心得として自らを、

そして他者をもこの言葉で戒めたに違いない。


しかし、“法令遵守”、“コンプライアンス”という言葉がよく使われるように、

昨今それだけ規則や道徳、常識を無視する人が増えたということだ。

中には組織の為、会社の為とか、上司に言われてとか、

自分の意に反して行動せざるを得ない場合もあろう。

経済的な事由で自分を殺しても、何かあった場合に自分が罪を被り、

結局身の破滅を招く事になりかねない。難しいところだ....。



 先週の法語用紙のお持ち帰り数は51枚だった。