試行錯誤を繰り返しつつも、ゴールが全く見えない状況を打破する為、皮膚・排泄ケアの認定看護師殿が、漏出腸液 封入袋の妙案を持って来てくれた。


ガーゼが吸収するスピードよりもチューブの隙間から漏出する量の方が勝っている為に、新しいガーゼでも吸収しきれず、気がつくと隙間から流出していて、すぐに下着やパンツを汚してしまっていた。


このパンツまで染み込んでしまう状態を防ぐために、15〜16枚のガーゼを大量に重ね合わせ、周りをテープで封入していた。

それでも2時間毎に交換する必要があったので、トイレで起される度に交換していた。


詳しい技術説明は省くが、複数の素材を組み合わせた新しいzip付きガーゼ封入袋を使用すれば、20分以上を要していたガーゼ交換が5〜6分でできる様になり、使用するガーゼも15〜16枚から4〜5枚に減少させる事ができた。


基材となるビニール製のzip付き廃液バッグとアルカリ性の腸液から肌を保護するシールの耐久性は3〜4日だが、工作レベルの簡単な加工なので作り置きも可能だった。


試しに自分でガーゼを交換してみたが、簡単に交換する事ができた。


この既製品に手を加えてフィッティングさせるという画期的な発想のおかげて、2時間毎に交換するストレスから解放されて、自宅でも自己管理できる様になるので、退院への障害を一つ減らす事ができる様になった。


しかし、次のハードルは高く週2回ポートへの穿刺と抜針をし直さないと、ポートの衛生状態を維持できない24時間栄養液になる。

これは難敵だ。