右肺下葉に転移した大腸がんの切除手術を明日に控え、準備を終えてのんびりしていたら、消化器内科のDr.が来て遺伝子解析の臨床研究への参加を要請された。


血液検査による がんの早期発見で話題になった“リキッドバイオプシー技術”を使った臨床研究だった


現在の私の血液はctDNA陽性(循環腫瘍遺伝子あり)で、手術前と手術後で血液に含まれるctDNAを解析して比較する。


術後96週まで血液を定期的に採取して解析を行い、最長7年まで継続する。


がん患者の血液には、外科手術で『見えるがん』を切除した後も、がん細胞から遊離したctDNA(循環腫瘍遺伝子)が極微量に含まれているが、この『見えないがん』をMRD(術後微小残存病変)という。


手術により体内からがん細胞が完全に無くなると暫くしてMRDも無くなり、血液の解析によりctDNAは陰性と判定される。


即ち、今回の右肺下葉の切除手術で大腸から転移したがん細胞が全て無くなっていれば、程なくctDNAは陰性とされる様になり、再発リスクは10%まで下がる。


逆に陽性であれば、まだ 何処かにがん細胞が残っている事となり、再発リスクは非常に高くなる。


この経過観察後の解析と、もしも無くならなかった場合には抗がん剤治療を行い、その効果を評価する…という研究で、患者側に費用は発生しない。


元々、ゲノム関連の臨床試験への参加を希望していたのだが、今回は全国で2,500人を対象とする”『見えないがん』を見つける臨床試験 ”に参加する事になった。


この『見えない がん』である『ctDNA』は、2018年2月からゲノム解析が始められている。


近い将来、現在の画像検査(CTなど)による再発定期診察は、リキッドバイオプシーに切り替わる日が来るだろう…