左肺上葉に見つかった悪性腫瘍は、大腸がんから転移したものという可能性が非常に高いというのが、医師たちの一致した診断だった。
原発の大腸がんの主治医である消化器外科部長は、
術前治療で抗がん剤治療を行い、腫瘍をマーカーとして使って、抗がん剤により腫瘍が小さくなる効果を確認してから、8週間後くらいにオペを行いたい
それにより間違いなく効果のある抗がん剤治療が行える…という考え方だった。⇒プラン1

肺疾病の専門医である呼吸器外科長のベテラン医師は、20mm強の今が、腫瘍を部分的にくり抜く「部分切除」の限界で、これ以上大きくなると、血管を選択的に切除する難易度の高い「区域切除」になってしまう。
出来るだけ速やかに腫瘍を切除するべき…という考え方だった。⇒プラン2

部分切除と区域切除では、手術時間も1時間と4時間と大きく異なり、切除部位も5%以下と12〜13%で、肺機能の減少も全く違う。

抗がん剤が効くかどうかは、やってみなければ分からず、安易に数字には出来ないが、期待通りの効果が得られるのは60%程度ではないか…というのが呼吸器外科医の個人的見解だった。

60%の確率で小さくなる可能性があるが、逆を言えば40%の危険性で肺機能を10%失い、その機能は回復しない事になる。
もう一度、肺に転移が見つかった場合は手術による切除不可という可能性も出て来る。

ここまでのカンファレンスでプラン1の選択は厳しくなった。

あとはプラン2を、いつ実行できるか?となったが、呼吸器外科の主治医からは
「9/18(水) 私が執刀して、手術時間は約1時間。
術後はICUに入らず一般病棟でも可。
入院期間は術後4〜7日」
という内容だった。

プラン2で決定した。

消化器外科の主治医は既にオペ中だったので説明出来ず、申し訳なかったが、仮予約していた入院予約をキャンセルして転院先での入院手続きを行った。

  入院手続きも、大病院なので結構 大変だった。