ブログを始めて旧友からの電話が多い…
シリコーンについて友人から質問があった。
身体に良くないと聞いてノンシリコーンシャンプーを使用しているが、どう悪いのか?
毛穴に詰まって脱毛が促進されるから?
誰が言っているのか知らないが、
憶測とは恐ろしいものだ。
シリコーンは毛穴に詰まりません。
髪の毛は毛穴から出た後は養分を殆ど補給されない。
空気が乾燥して髪の毛がパサつくのは植物のように根元から養分を吸い上げていないからだ。
汗腺とは別の皮脂線が毛穴に有るので、そこから分泌される皮脂が髪の毛の表面を伝わってキューティクルを保護しているが十数cmしか届かないので、そこから先にはトリートメントやコンディショナーで外から保護剤を塗布するのが効果的である。
旧友の言う通りヘアケア商品の中にはノンシリコーンを前面に出した商品の人気が高いが、シリコーンが悪いという問題点が科学的に立証されないまま、悪いイメージだけが先行している。
20年以上前、米国で豊胸手術のインプラントとして使用される場合にはリスクがあるという論文が発表がされたが、その後の改良によってリスクが解消され、現在では乳がんの術後整形(保険適用)でも使用されている。
同時期に注射針の痛み軽減目的で針先にシリコーンオイルを塗布した注射針が世界中で使用されていたが、リスクが懸念されるとして米国のメーカーが販売を中止した。
追従するメーカーが続々と出て騒ぎが拡大された(日本のメーカー1社だけは安全性の確認を行って販売継続)が、メーカー各社が適合グレードを限定する事で問題は解消された。
その後もベビー用品に使用されたシリコーンゴムの加工時に使用されるヘキサンに発がん性の疑いがあると指摘されるなど、悪いイメージが重なって行った。
シリコーンを使用した代表的なシャンプーに“リンスinシャンプー“があるが、何年も伸ばし続ける長髪の方はともかく、私の様に数cmしか伸ばさずに、どんどん切ってしまう人は、これで充分であろう。
大浴場などに配備されている安価な物は髪がペタンコになるので注意が必要だ。
シンプル過ぎはワーストである。
ノンシリコーンのヘアケア商品に話を戻すが、シリコーンは無駄に入れている訳ではなく、複数の機能を持たせる為に入れているので、配合しない場合は、代わりに他の物を配合する事になる。
ノンシリコーンを謳い文句にしている商品は代わりの配合物を使いこなす為に、防腐剤など添加物が付随してくる事が大変多い。
代わりの物は良くても、それを安定させる添加剤の存在はセールスポイントにはならないので表示義務だけ実行して、敢えて説明はしない。
“シリコーン不使用で〇〇を使用!
防腐剤と乳化剤、安定剤を更に添加“
などと表示したら誰も買わないだろう。
私はよく分からないイメージ商品が防腐剤など添加物をどんどん加えて行って厚化粧の様に上塗りするのは間違った方向性だと考えている。
シリコーンは毎日の様に食べる食品にも製造工程で使用されている安全性の高い物質で、体内で分解代謝されずに排泄される。
微量で効果がある事から配合量も少なく、毛髪や肌などの外用に使用されても肌への刺激は殆ど無いと思う。