皆様、メリークリスマス!
昨日は少々ささくれだっており、大変失礼いたしました(笑)。
「そんなに嫌なら『クサセ』を観なければよいだろう」というご意見もあろうかと思いますが、ヒョンビンさんの歴史を学ぶためにはやはり欠かせないのです!国会中継を観ながらヤジを飛ばすおじいちゃんと同じなのです(ちょっと違う)。
ということで、「ヒョンビン史」の中で気になっているのが、「いつから偉人の道を歩み始めたのか」ということなんですね。
冬休みになりまして、ようやくこのデビュー10周年記念DVDをじっくりと観ているのですが、NONSTOPの頃とかはさすがに普通の若者なんですよ。もちろん、以前も取り上げたように、茶髪にピアスでも、話している内容はほぼ現在と変わらず、全くブレていないわけではありますが、さすがに若い頃は真面目な青年、という感じで、偉人感は出していませんよね。
もちろん、ある日突然偉人になるわけはないので、段階を追って成長しているわけです。主役を重ねることで、どんどんと責任感が生まれてきたことが大きいのでしょう。色々な記事を読んでいると、どうやら主役というのは、本当にドラマ全体、役者もスタッフも引っ張っていく存在のようですね。主役の態度ひとつで現場の空気感が違うのでしょう。
それでですね、以前からacomoさんに教えていただいていたのですが、この10周年記念DVDに入っている、『チング』のクァク・キョンテク監督と、『彼らが生きる世界』のピョ・ミンス監督のヒョンビンさんに関する対談がありまして、ま~、こんなに誰かを絶賛する対談って観たことない(笑)。クサセが2008年、チングが2009年ですから、ヒョンビンさん、26~7歳の時、既に偉人としてかなりのレベルに達しておられたようです。あまりに感動したので、一部テープ起こししてみましたのでお読みください。
クァク・キョンテク監督: (ヒョンビンに)あまりにも自分自身を抑えながら生きているのではと心配して聞いたら、運動で十分解消していると言ってた。(飲みに行ったりもしないので)つまらない男だ(笑)。
ピョ・ミンス監督: 僕の作品では考えることに没頭して、監督の作品ではアクション演技に全力を注いだんですね。凄い集中力の持ち主です。
クァク・キョンテク: ほかに並ぶ人がいませんね。
ピョ・ミンス: 韓国では最高レベルです。周りを落ち着かせます。何て言えばいいかな、山のような存在です。僕はこの歳で山の偉大さが分かったのに、彼はもうそれを分かってるんです。彼が僕の年になった時は、泰山のような存在になるかも。僕は近所の山で満足するけど(笑)、彼は泰山を超えるかもしれない。屈しない自分の演技への底力でしょうね。演技を貫く力でもあり、全ての作品を輝かせる力がある俳優です。それが作品に溶け込んで称賛される。
クァク・キョンテク: 『チング』を演出した時、忘れられないことがありました。ドラマ初演出で、視聴率の怖さが初めて分かったんですね。思ったより低かった時はショックでした。ある日ビニが笑ってるんですよ。それで大丈夫かと聞いたら、こう言った。「監督、それって僕が言いましたよね。『視聴率がいい時と悪い時がある』と。視聴率が悪くてもいい作品に仕上がれば、いつかは必ず認めてくれる日が来ます。だから心配しないで」と。それを聞いて恥ずかしかったし、感動もしたし、力にもなりました。その時の彼の表情が忘れられない。びっくりしました。
ピョ・ミンス: 僕にはこう言いました。視聴率に縛られる俳優よりは、ただの役者がいい。作品で認められたい。
本当にいい俳優に出会った気がします。韓国の宝物に出会いました。
クァク・キョンテク: 彼の演技への集中力や自己管理をしっかりする点は、どこから始まったと思いますか。
(中略)
ピョ・ミンス: 彼は幼い時から考え事が好きで、自分の中での考え方の衝突が多くて、それについてはたくさん悩んだらしいですね。自分の育った環境や、考え方を通じて、いい芝居がでてきると思います。本当にすごい俳優だと思いますよ。
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なんでしょう・・・。先日NHKスペシャルでやっていた、天才作家三島由紀夫について生前親交のあった人たちが語るという番組くらいのテースト?親ほどの年齢の監督が!2人して20代の青年をここまで絶賛するって・・・あり得ますか?本当に惚れこんでいるのがわかりますね。
『チング』も『クサセ』も視聴率としては良くなかった作品です。成功している絶頂の時ではなく、下降気味の時にこそ、人間性、人格が出るものですよね。調子がいい時なんて機嫌が良いに決まっているんですから。実際に酷評・・・とまではいかないにせよ、ネガティブな批評もされている中で、こういう発言を堂々とできる、その自信と品格。良い意味での「鈍感力」もあるのでしょうね。全力を尽くしたのだから一喜一憂しないで、聞き流せるという。「終わったことは気にしない」というようなことも言っていますし。本当に大物の器、という気が致します。
『クサセ』を撮っていた26歳で既に山のような存在だったということは、12年経った今は泰山・・・そのうち宇宙まで到達してしまうのでしょうか・・・。偉人且つ可愛い存在でこれからも居続けてほしいものですね!