ついつい欲望の赴くままに筆を滑らしていたら、「かなりおつむの悪い稀代のふしだら女の一代記」になってしまい、我ながらイライラして参りました。冒頭でお詫び申し上げておきます。
ロンドン時代
私の頭のなかに家を建て始めてしまったのが、この人、ミン・テグさん。タブリンにはやはり外国人向けの就職先があまりないので、大学院修了後にやってきたロンドンで出会ってしまったんだ。東南アジアと関係の深い商社っていうことで、まずはインターンとして入ったんだけど、どうやら、堅気の会社じゃなかったみたい。すぐに辞めたかったけど、ビザを出してくれるっていう条件に甘えてずるずると。。。この会社の社長がミン・テグさん。信じられないくらいの色気と危険なオーラを24時間放ち続けていて、近づくのも一苦労。でも、あまりに素敵なその横顔を遠くから眺めていたのかバレんだろうな。操りやすい女と思われて、ライバル会社の情報を盗んでこいって頼まれた。
さすがにそれは。。。と悩んでいるときに現れたのが、この刑事さん。イギリスと北朝鮮をまたにかける国際犯罪組織にミン・テグさんが関わっていたというので、MI6との共助捜査でロンドンに来ていたんだって。
どうやら数か月前から内偵していたらしい。このイム・チョルリョン刑事のお陰で、スレスレのところで犯罪をおかさなくてすんだよ。思わず恋をしちゃって告白してみたんだけど、困惑した表情で、「彼女がいます」って言われちゃった。すっごく恥ずかしかった~!
スイス旅行
犯罪にまで巻き込まれて疲れ切っているうちに、さすがにグク君との遠距離恋愛も終わっちゃった。グク君には呆れられて、そのあげくセクシーな女優に取られちゃったよ。
もう海外で仕事をするのは諦めて帰国する前に、最後にヨーロッパで休暇を、と思って来たのがスイス。有名なジークリスヴィル橋で自分の馬鹿さ加減を反省していたら、なんか自殺でもすると思ったのかな。とんでもない高貴な雰囲気を漂わせる彫刻のような男性が声をかけてきた。「写真を撮ってくれますか?」って。それがリ・ジョンヒョクさん。なんとなくチョルリョンさんと話す言葉のイントネーションが一緒だから、北朝鮮の方ですか?って聞いたら、うなずいてくれた。私があまりに思いつめた顔をしていたみたい。心配だから、とホテルまで車で送ってくれたんだ。こんな素敵な人とで会う機会は一生ないと思って、勇気を出して、「明日も会ってくださいますか」って言ってみたんだけど、優しく微笑んで、「明日から2週間は、僕の世界一大切な女性と過ごすんです」だって。その瞳には私のことは映ってないのがよくわかった。
帰国後、いきなり結婚
私みたいなタイプは海外をフラフラしているとろくなことはないと、意を決して帰国。この時26歳。ママが早く結婚しなさいというし、人生に疲れ切っているから、私もその気になって、友達の紹介で出会ったのがこの人。名前はまだないけど、私の夫。建築家ですごく物静かで一緒にいると安心できたんだ。でも・・・お互い情熱がなかったのかな。そのうち会話もなくなってきちゃって。2年くらい経ったある日「私たち、別れましょう」って言ってみたら、無言のまま私の引越しの手伝いを始めちゃった。本当は止めてほしかった気持ちも半分あったけど。結局私がふられたんだね。なんでかな。「お願いだから前髪切って」ってしつこく言い過ぎたのかもね。
真面目に就職
29歳にして初めてちゃんと就職したのが、ジェイワンホールディングスというゲーム会社。新しいARゲームの分野で台頭してるのが決め手になったよ。ほぼ職歴なしで就職できたのは本当にラッキーだった。ダブリンの大学院でプログラミングを専攻したのがようやく役に立ったよ。この会社の代表がこの方、ユ・ジヌさん。外見はこの通り、美しいんだけど、頭が切れすぎるせいか、私みたいな凡人には皮肉ばかりでちょっと、怖い。しかも、段々と奇行が目立つようになったんだよね。整形お化けみたいな奥様との離婚訴訟が揉めてるとかで、それが原因かもしれないけど。いつも見えない敵と闘ってるみたいで、皆心配し始めたよ。私も、ようやくちゃんと就職できたのに、また無職か、とブルーになってたら、1年後に転機が。
運命の出会い