サザエさん | ブラウザ三国志ノート 「軍令」

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国民的アニメ「サザエさん」の視聴率がだんだん下がっているそうな。



確かに「サザエさん」て実際めっちゃ古い作品で、作者ははるか昔にすでに亡くなっているし、ある意味作者なしでも作品自体がまるで命をもっているかのように月曜日の攻撃のドラを鳴らしてくれる、そういう意味でもまさに国民的なシロモノ。
視聴率が取れなくなってきた、というのはぶっちゃけサザエさん自体のせいではなく、時代のせいだと思う。そもそもテレビ離れが進んでるご時世に視聴率なんて伸びるわけがないわけで、しかもこう言っちゃ悪いがサザエさんを毎週心待ちにして楽しみに毎週欠かさず見てるなんて人はほとんどおらんわけで、日曜の夕方にテレビついてたらなんとなくやっててなんとなく見てた、とかが基本。
ならば別にサザエさんは内容なんて無難であれば特に問題はなく、大事なのは「存在」そのものであるとあえて言ってしまおう。

恐らく今40以上くらいの人達は、もしサザエさんが終了してしまったらなんとなく心にポッカリ穴があいたような感覚に襲われるだろう。そのあたりの世代にとってはサザエさんは生まれたときからそこにあって、そこにあるのが当たり前のような存在になっている。30代くらいの人は「ちびまる子ちゃん」もそんな存在になっているかもしれないが、サザエさんがその「存在」を最も重要視されているというのは、何十年も主題歌が変わらないことが示している。もうはじまりの歌、いや「サザエでございまーす」というアレではじまるのがサザエさんであって、そのあたりが多少でも違ってしまってはいけないのである。

なのでサザエさんは少なくともサザエさんの声優である加藤みどりさんが御健在のうちは終了させるべきではない。もしあの「サザエでございまーす」の声が別人になってしまったらそれはもうサザエさんではないと感じるだろうし、終わるとしたら加藤さんが引退したときであろう。

地味にサザエさんの声優陣、一度も変わっていないのはサザエさんとタラちゃんだけ。
はじまったのは1969年であるから今46歳より若い人はサザエさんの初回を見ていない。というより物心がつく4歳くらいを基準にとれば50歳以下の日本人は皆サザエさんとともに生きてきたわけだ。
他のメインキャラはすべて途中で変わっている。かつてドラえもんの声優陣がガッツリ変わったときもかなりの違和感があったが、ドラえもんはサザエさんと違って「国民的アニメ」ではなく国民的漫画作品である。それがアニメに進出して映画その他と「作品として」勝負しているものであって存在が最重要案件ではない。だから声優陣が変わっても内容で勝負できる作品が提供される限り終わることはないだろう。「のび太の○○」的な作品で涙腺崩壊した人は多いはずだ。

しかし加藤みどりさんも今や76歳のおばあちゃんである。いつまでもサザエさんでいられるわけではなく、引退の時はそんなに遠くはない。そのとき、また二代目サザエさんの声優を置いて続けるのもまあいいが、個人的には新しい時代、今の時代に沿った息の長い次世代サザエさんが必要なんだろうと思う。そして存在で君臨するなどということはどんな神作品であろうとサザエさんを超えることなどできようがないわけで、さすればやはりドラえもん的に内容で勝負して純粋に「楽しみに見る」層を開発しなければ、大晦日時代劇のようにいつのまにか日曜6時枠のホームコメディ的アニメも自然消滅してしまうであろう。



個人的にかつて日曜夜にやっていたハウス食品の「世界名作劇場」終了は若い世代の育成面を考えても計り知れない損失であったと思っている。昨今の少年少女の心がすさみがちなのも幼少期に「ぬくもり」を感じることが少なくなってしまったからではなかろうかと冗談抜きで思う。

幼少期から触れる漫画やアニメ、今日の人気作品は片っ端から殺伐とした内容で、暴力的だ。
今や国民的作品と言えるだろう「ワンピース」だって、ドラゴンボールだって内容は少なからず暴力的で流血シーンなんかもてんこ盛りである。むろんこういったエンターテイメント作品はそれでなくちゃあ面白くないわけだが、このサザエさん枠についてはこういう方向性の作品はNGだ。






 すさんだ少年少女達の心が・・・









 こうなるような内容じゃないとダメなわけで 










そんで私としてもいろいろな作品、癒しになるような心がきれいになるトトロが見える人になれそうな作品群を探して読んでみてるわけですが。

やはり群を抜いているのはこの2作品。


 よつばと!

内容は割愛しますが、心洗われる的な意味合いでは最高峰の作品のひとつ。
ですがサザエさんの後継者になるためにはいくらか致命的な部分があり、まずは主人公「よつば」が同居する「とうちゃん(小岩井葉介)」と血縁がないということ。つまり実の娘ではない、しかも外人(「よつば」は日本人ではないとされている)、かつ実の両親の存在が不明(生死すら明確でない)で「家族」というものを表現するにはいささか設定が厳しいのである。そして作者自身がアニメ化NGの姿勢であるとも言われており、現実味がないのだ。

サザエさんの後継者となる作品の条件として(別にサザエさんが終わったあとにはじまるって意味じゃなく、ホームコメディの王道を継ぐものという意味でふ)、私が考えるのは以下の通り。

・暴力描写がない
・家族愛、日常描写がメイン
・長く続く
・絵が簡単で見やすい
・登場人物のバランスが男女ほぼ均等

このあたりでしょうか。



まずサザエさん的内容に血生臭い描写は不要です。教育上もよくありません。

次に家族愛、日常メインというのは「ぬくもり」が一番大事なところからこれも絶対です。

長く続く、というのは仮にも国民的アニメを継ごうというものが短命でどうするって話で、作者が死ぬまでその作品を書き続けるくらいの覚悟があってほしいし、その覚悟が必要でしょう多分。

絵が簡単ってのは、このテの作品は長続きするせいで必ずと言っていいほど原作をアニメが内容量で抜いてしまうので、原作者が原案だけ出してアニメだけでも一人歩きできるものでなくてはなりません。その場合無駄な線の少ない簡単な絵柄というのは実に大きな武器となります。

最後に男女バランスってのは、あのガンダムでさえZZで女だらけになってキャラ物っぽくなってしまい旧作ファンの多くが離れたといいます。また近年国民的ヒットとなっているエヴァンゲリオンだってもしあの外見のレイとアスカがいなかったら人気出なかったと思います。
そしてとにかく女性キャラのほうが多いって時点でターゲットがヲタク寄りになってしまうのでダメ。つまり魔改造フィギュアがバカ売れするような作品は最初から対象外になるわけです。


そしてこのあたりを踏まえて、やはり私のイチオシは(つうかバレバレだが)。



これ以外には考えられません。やはりこれこそが次代のサザエさんです「パステル家族」

ある話で主人公マヨの兄タクオがこういった内容のことを話すシーンがあります。

昔はゲームに理解がなかったが、今はそのときゲームしていた世代が親になっているからゲーム自体にさほど理解がないわけじゃない。だからって一日全部ゲームだけしてたらアホになるだろ

このタクオ自身はネットでは有名なゲーマーで彼がネットでほめたゲームの売り上げが変わってしまうほどの存在。だからってゲームだけやってるダメ人間ではなく、人格的にはかなりのハイスペックだが決して少女漫画の彼氏役のようなチートではなく、いわゆる「しっかり者のお兄ちゃん」だがゲーマーでアニメオタクという今の世代にはよくありそうなキャラで非常に親近感が持てる。

とにかく登場キャラ達が「ふつう」なのである。

「ふつう」の中にこれだけのドラマが隠れてる。日常という名の大いなるドラマと言える。
とくに後半のマヨママとマヨパパの出会いの話は涙なしに読めるものではなく、というよりこんな出会いして家族ができるなら他になあんにもいらないわと心から思えるほど心が洗われるのだ。




なんでもないようなことが 幸せだったと思う




こんな歌を誰かが歌ってましたが、まさにこんな感じ。
サザエさんの後継者となるにふさわしいのはこれ以外にないと思っています。
深夜枠の安易なアニメ化などせず、NHKあたりが本気で取り組んでくれないかなーと割とマジで考えているのですが…。

ちなみに安易な深夜枠で秀逸な原作がアニメとして短命になってしまった例では、最近では「それでも町は廻っている」あたりでしょうか。
これもサザエさん的な側面を持つ作品(ちょっと内容が独特なので後継とはなれないが)だったので、ちびまる子ちゃんとかクレヨンしんちゃんの後釜くらいだったら十分に務まったであろう惜しい作品でした。



まあ「それ町」は作者が奇才の類(普通は絶対思いつかない発想を持っている)なのでなかなか扱いが難しいというか、それは石黒先生の他作品を見てもわかりますが。
まあ作者なしでは絶対世界観が維持できないのでサザエさんにはなれないだろうなと。

語尾が普通とですます調が混ぜ混ぜなのはご愛敬ということでよろしく。