若ヴィク勇 観用少女(プランツ・ドール)パロディ
軽やかな鈴の音のような幼児達の楽しげな笑い声が響く庭。
青薔薇の冠を被った白銀の天使と黒髪の愛らしい幼子は大人の見よう見まねでワルツを踊る。
桜の花弁が降り注ぎ、穏やかな陽光と小動物達だけが二人の舞踏会を見守っている。
このまま時が止まれば良いのに、この幸せな一瞬を永遠のものにしたいと天使は強く望んでいる。
狂おしいほど求めていた温かく、そして甘い名前を知らない気持ち。この幼子と出逢った時に漸く巡り会えたように感じたのだ。
しかし、運命とは残酷なもので天使は幼子の手を取る前に主人に連れていかれる。罰だと嗤って大切な青薔薇の冠を取り上げられ、聞くも耐えないような罵倒を浴びせられる日々。
「お前が女だったら玩具にしてやろうと思ったのに残念だ」
天使は枯れ果てる寸前で主人に捨てられた。
愛される為に作られ、生まれた観用少女(プランツ・ドール)の悲惨な末路を天使は辿ってしまった。
二度と目覚めたくないと願い、常闇を湛えたパライバトルマリンの瞳に白銀の幕が降りる。
天使は深い深い眠りについたのだった。
【Red Rose Bud】
