私は小さい頃、いろんなことを考えていた
なので、子供って大人が思っているほど単純で幼稚では無いのではと思っている。
例えば、私は「子供だまし」という言葉が嫌いだった。
私が幼稚園ぐらいのことかと思うが、その言葉があると知った時は驚いた
子供って、すぐに騙される、簡単に騙されるという認識を大人達から持たれているのかと衝撃を受けた
「子供なら騙せるけど、大人は違うよって言いたいのか?何て失礼な」と思っていた。
「子供の手の届かないところに保管して下さい」という文言も同様に気に入らなかった。
「これは何と書いてあるの?」と親に聞き、読んでもらったものだったと思うが、
一気にその製品が嫌いになり、
「間違った使い方をしたらダメなことぐらい、子供にも分かる。
子供を信用せずに隠すなんて…。
これはこういう理由で危ないから触らないでねって教えてくれたら良いだけなのに」
と思っていた。
悲しいことに、テレビでは「子供お断り」のお店があることも知った。
テレビで見たのは、頑固親父が出てくる有名店や高級レストランだった
「子供は味も分からないと思われてるのかな…。
子供はみんな騒ぐと思っているのかな。
私は騒がずにご飯を食べることもできるのに。」とショックだった。
同様に「子供は苦手なんだよね~」と話す人がいることにも衝撃を受けた
「みんなかつては子供だったのに、なぜ」
と不思議で仕方なかった。
子供は大人になった経験が無いから、
子供が「大人は嫌い」というのはまだ分かる。
だって経験したことがないから、大人の気持ちや立場って分からないもの。
だけど、大人は絶対に全員かつては子供がたったはずだ。
なのに、どうして子供が苦手だなどと言うのか。
それは過去の自分を否定することに繋がるのでは無いのか。
過去の自分の気持ちは忘れてしまったのか。
と深い疑問に苛まれていた
「子供は良いよね」と大人から言われるのも同意しかねた
悪気はないのは分かるし、
言われるのは別に良いのだけれど、
自分はまだ子供で、大人の経験が無い。
なので、「大人より子供の方が楽しいよ」
等と言われても、
「私は子供しか経験が無いから分からない。
子供よりも、子供と大人、両方経験したことがある大人の方が絶対良いだろう。」
と思っていた。
知らないことがたくさんある世界で、
「知らないままの方が幸せだよ」なんてことは悲しい。
私は全部知りたい。
後で「やっぱり子供の方が良かったなぁ。」と思うことがあったとしても、やはり両方経験してこその世界だ、と考えていた
また、大人か子供に対して適当にあしらうことがあることも知っていた。
「これは何?」という子供がよく口にする言葉を私も頻繁に使っていたが、
これは何か分からないことがある時、何かを知りたいからだ。
なのに、時に大人は適当な返事をした。
子供心に「これはごまかそうとしているな」と分かるのだ
例えば、お風呂に使っている時。浴槽に水中に小さな泡がたくさん見え、
「これは空気だな。なぜ空気の粒が浴槽に張り付いているのかな。」
と不思議に感じ、一緒にお風呂に浸かっていた母親に
「あの小さい点々は何?」
と聞いてみた。
が、母の答えは
「おもちゃのぞうさんシャワーの鼻の点々が映っているんだよ」
というものだった。
確かにお風呂場にはぞうさんシャワーが置いてあり、それは別のところにうつっていた。
だか、それは求めている答えで無いことが分かっていた。
なので、「それは違うと思うんだ」と言ってもう一度聞いてみたけれど、
「ぞうさんシャワーの点々なの」とピリャリと言われてしまい、私は黙った。
「これ以上聞くと母親を怒らせるかも」と私の中の安全装置が働いたのだ。
他にも知りたいことはたくさんあったけど、
「分からない」と言われて終わることもあったと思う。
小さなことだけれど、何十年たった今も私は覚えている。
大人になってみれば分かることもあった
疲れている時や時間が無い時に子供からあれこれ聞かれてしまうと、
ついはぐらかしてしまったりすることもあるだろう。
「子供だまし」「子供お断り」「子供の手の届かないところに…」は、子供にいやな思いを与えるために作られた言葉ではないだろう。
むしろ「手の届かないところに…」は子供を守るためでもある
「子供は苦手」の言葉も大人になった私は理解できるようになった。
子供は自分が経験した道、とはいえ覚えていないこともある。
例えば、私は出産後、赤ちゃんが眠くなって泣くことに
「何でだよぉ~。眠いなら寝たらいいじゃんかぁ~」
という思いを抱かずにはいられなかった。
寝ない子だったので、
私はゾンビのようにフラフラになりながら、
泣く子をほぼ一晩中抱いてウロウロしてあやして、
朝日が登ってくるのをよく見ていた
ちなみに、
「子供なら赤ちゃんの気持ちが分かるのか」
と思い、我が子が小さい頃(幼稚園頃)に
「赤ちゃんの頃はお母さんが抱っこしてるか、
おっぱいをあげている時でないと寝なかったんだよ。
布団で眠れなかったんだけど、覚えてる」
と聞いてみたことがある。
が、子供の答えは
「えっ!本当に?
僕はお母さんを困らせていたの?…ごめん。」
というもので、私は慌てて
「謝らなくて良いよ
赤ちゃんてみんなそうなんだよ!
それがとってもかわいいんだよぉ!」
と答えたのだった。
けれど、私は自分の経験を基に、自分の子供の質問には丁寧に話すように心掛けている。
子供が興味を持ったものは、一緒に調べたり体験したりしたいと思っている。
(思っているけれど、毎度できているのかは分からない)
…という、めんどくさい子供だった私の思い出話でした
きっと子供も、みんなそれぞれにいろんなことを考えて、それぞれの世界で頑張って生きているんでしょうね