その頃、婚活の迷路にいた。





四方八方塞がりとはこのことかと、手玉もなくなり、焦りを感じていた時だった。





10歳年下からイイネがきた。





プロフの年収が300万以下だった。





『専業主夫を目指していて、料理学校に通っています』






まさかの専業狙いだった。






私は、女の逆パターンなだけかと思い、マッチングしてしまった。






やり取りしていくと、本当に素朴で、真面目に専業主夫を目指していることがわかった。






料理学校で作った写真がよく送られてきたが、和食メインで健康的な感じだった。





毎日美味しいお料理を奥さんの為に作りたいと言っていた。





昔は会社員だったけど、体調を崩して、今は株をちょっとだけ運用して生計をたててるそう。





ジムには通っているので、結婚後も家事の合間にジムには通いたいと。





電話もしてみたけど、嫌な感じが一切なく、会話も普通にできて、至って普通の子だった。






こういう結婚観、生活スタイルもありなのか?






むしろ私だから成立する?





若いし、体力面では頼りになる?





そんな風に傾きかけていた。





会いに行きたいと言われ、会ってみても良いかも?と一瞬思ったのだが、遠距離でお金のない中こちらまで来てもらうのが、何だか引けてきた。






そこからはマイナスな感情を抱くことが多くなっていった。






専業主婦はまだまだ沢山いるし、否定はしないけど、子供を産むことは女性しかできない。






産休になったらどうなるの?






本当に一生専業に耐えられるの?


少なくとも私の周りにはいないし、結婚後一時的に仕事を辞めた友人らは、みんな覇気がなくなって、凄く内に籠ったイメージだった。





ストレス絶対たまるよね?






私が働けなくなったら?




男性側の気持ちがかなり理解できてきた。自分の稼ぎを頼りに結婚されることがこんなにも重いことなんだと。





それにそもそも私の年収が高くなかったら、イイネしてきてないよね?










自分も相手も、お互いを利用したいだけなんじゃ。。。






私は家政婦として、相手は寄生先として。






恋愛から始まってないので、尚更だった。






私の求める結婚はそんなんじゃない。

 




こんな打算的なのは無理。





我に帰った。





会う前に終わらせよう。





率直に今後進めていくのは難しいと送って、直ぐにブロックするつもりだった。





そしたら、かなり焦ったようで、電話が鬼のようにかかってきた。





出ないでいたら、私が送ったメッセージやLINEをスクショしたものを、長々と何個も貼ってきた。






なにが言いたいのかわからなかった。






こう言ってたじゃん?なぜ変わったの?ってことなのか。





おどしなのか。





メンヘラ要素も感じた。






急に怖くなって、アプリもLINEもブロックした。






念の為、Facebookも探してブロックしておいた。




執着心は本当に怖い。





10歳上じゃなくて、30歳くらい上の女性になら、通用するのかも?





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