マッチングアプリを長いことやってると、とんでもない詐欺男に出会うことが何度かあった。
確率的に1割に満たないくらい。
そのアプリはマッチドットコムというアプリで、当時グローバルが強調されていて、仕事柄グローバルな同僚が多かったので、深く考えずに使ってみた。
因みにこのアプリは、マッチングアプリを研究してプロフ作りにも拘って人気会員となっていた2つ下の同僚くんに、
「このアプリはオワコンっすね、アプリの最後の砦。どこでも無理だった奴らが集まってる。あとオバさんが多い印象。男も年齢高いと思う」
と散々に罵られるようなものだった。
使ってたことある、なんて言えるわけなかった。
登録して少し経ってから検索した時にかなり正統派イケメンの経歴も素晴らしい歳下男性のプロフが目に留まった。
写真は加工してるようには見えず、友人や同僚、出張先で撮ったようなスナップショットで、作り込んだ感じには見えなかった。
足跡を残した為にマッチングに至った。
私の年齢は36歳だったが、男性は32歳だった。何かしら疑うべきだったが、まだアプリ慣れしていない私はわりと純粋だった。
メッセージはいい感じに進み、高学歴だな、仕事も忙しくて充実しているのだなと、何よりも真面目な文章に好感が持てた。
偶に、堅苦しいな?と思う表現があった。
あと仕事自慢。
忙しいお役所勤めらしく、外務省とか直接的な表現は使わなかったが、おそらくそんな感じだった。
けど高学歴だし気にしなかった。
あることをきっかけに電話してみることになった。
私はかなり舞い上がっていた。
アプリから電話がかかってきた。
ジジイ「あ〜もしもしぃ???◯◯さんかなぁ??」
…
え?????
ジジィじゃん!!!!!
声の質と話し方で、速攻でジジイだとわかった。もう隠居して年金生活だろってくらいしゃがれ声だった。
私「あの、32歳でしたよね?」
ジジイ「あーはぁ、そうだよ。なんでかなぁ?」
あまりのショックに段々と怒りも込み上げてきて、年齢嘘ついてませんか?と言った。
速攻でブチっと切られる。
直ぐ様、アプリから通報。
写真が一体誰のものなのか気になった。どう考えてもフリー素材とかではないので、知り合い、会社の後輩とか孫とか、無断で使ってるのではと、これは立派な犯罪なのでは?と思った。
アプリ事務局にも詳しく説明を書いて送ったが、証拠がない個人判断な範囲ということで、全く取り合って貰えなかった。
そして、嫌がらせかのようにソイツから私に対しても通販メール?のような通知が何通も届いた。
めちゃくちゃイライラした。
これだけおかしなことになっていても、事務局は何もしてくれなかった。
ジジィは1週間もしないうちに退会していった。
酷い目にあった。
ジジィは何十年も前にお役所に勤めてた官僚だったんだろうなと思った。
当時はあまりにもショック過ぎて笑い話として友達にも話せなかった。