理想と現実の狭間 | 元ベンチャーCFO日記

理想と現実の狭間

経営に限ったことではないが、現実と見据え、理想を追求することは難しいことだと改めて思うことがあった。


先日、以前私が役員を務めていた会社に約一年ぶりに訪問、近況を聞いた。


前期の決算は、収益的には、トントン。


外部環境や、一年前に当社が置かれていた状況を考えると、悪くない状況だと思う。


しかしながら、客観的に見ると、一言「しょぼい」と評せずにはいられない。


目指していた理想は、もっと高いところにあったはず。


「高い」と言っても、いきなりグーグルやアップルになることを考えていたわけではない。


いくつもの会社が成し得てきた程度のレベルである。


当社を離れて一年が経ち、私が客観的に見れる立場になったこともあるが、


私が辞めた後も残って経営に携わっていた役員陣と話をすると、


理想を掲げ、そこに向かう努力を日々続けることの難しさを感じる。


事業を推進するためには、人、モノ、金、情報が、必要。


「ベンチャー企業」というリソースが乏しい中で、事業を伸ばしていくことは、


なかなか容易ではないことは、重々分かる。


しかし、その制約下で、なんとか前に進み、一歩ずつ高みを目指していくことにこそ、


ベンチャー経営の醍醐味があるように思っている。


(経営を)やっている人間が、一番大変だということは、よく分かるが、


少々現実に引っ張られすぎていて、目線を高く持てていないことを残念に感じた。