北の果てからコラム

4/21(日)「QOL?」 


最近TVやラジオを聴いていると「QOL」という言葉を用いる芸能人や若い方を目にする。


このQOL、は「Quality of LIFE」の略で、つまり生活の質・人生の質という意味。元々は医療・介護業界で使われているコトバである。 


一般人は豊かな生活を送るため、日常生活を充実させるため〜という意味で使っているようだ。


「QOLを上げるために通勤時間が短い所に住む!」

「QOLをあげたいからヒールでなくスニーカーを履くようにしてます!」 

使いやすい言い回しで多用したくなるキモチはわかるが医療現場で働く私としてはすこしモヤモヤする。つまり「リア充」の意味合いで世間に浸透しているように思えてしまうのだ。 


本来のQOLという言葉が使われる人たちは社会的弱者・障害者の方々が大半だ。

身体のハンディがあっても人生をどう豊かにするか?という意味で元々は使われていたのだ。 


例えば、がん患者さんや障害をもって歩けなくなった方がいたりする。今までのカフェは行けなくても、家に閉じこもらないで車椅子対応のカフェでリラックスする時間を作ってほしい・・など。 



「QOL」とは、その人に関わる人達がハンディがあっても社会サービスや便利な環境、補助具(福祉用具)をつかって、すこしでも人生やこころを豊かに、

明るく日々過ごしていほしいという願いを込めて使われるステキなコトバである。  




世の中には昔になかった様々な慣用句や似たコトバが出ては消えて、時には流行語になったりする


だけど本来のコトバに込められた想い・重みを理解して使うことが大事だと思った。