27「子どもの言葉が遅いとき」 | 明石市、加古川市の放課後等デイサービス、児童発達、障害者施設、兵庫明石高等学院の波の家福祉会理事長ブログ

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兵庫県 明石市・加古郡播磨町にあります、大久保駅前保育所・波の家・アスペ 波の家こどもセンター 理事長 のブログです



☆2歳のころ、言葉が遅いのはよくあることです☆


自分の子どもの言葉が遅いと、


周りの子が“み~んな” ペラペラお話してるみたいに思えて、


焦ったりしてしまいますね。



言葉が遅いなんて、相談できる人もいないし、


健診で何か言われたらどうしようと心配だし、本当に困ってしまいます。



でも、あまり心配しないで下さい。


確かに、たいていの子どもは1歳6ヶ月位までに話し始めますが、


それより遅い子も結構いるものです。



例えば、2歳のお誕生日過ぎには言える言葉がひとつもなく、


2歳半頃からぽつぽつ単語が出てくる、といったお子さんがよくいます。



ところが、そんなお子さんが、“ある日突然”お話が達者になり、


お母さんは


「最近はしゃべりすぎてうるさいんです。


口にチャックって出来ないでしょうか」



と、ぜいたくな悩みを抱えて相談にみえたりします。




☆こんな場合は、言葉が遅くても心配要りません☆



◎周りからの話し掛けがよくわかっている(言語理解)


 ○「ゴミポイして」と言うと、捨ててくれる。



 ○「お出かけするよ」と言うと、玄関に行って待っている。


  「わかる事」は「言える事」の基礎です。




◎耳が聞こえている(聴力)


 ○玄関でピンポーンと鳴ると「アッ!」とすぐに気付く。


 すぐに気付くのは、音がちゃんとその大きさに聞こえているだけでなく、


 脳の働きがしっかりしている証拠です。



 ○後ろから名前を呼んでも、振り返る


 夢中になって遊んでいる時や、テレビを見ているときに呼んでも、


 振り向かないことはよくありますから、別の時にやってみて下さい。


 中には、人に興味がなくて、


 聞こえてはいるけれど振り向かないという子もいます。



 注) 「えっ?えっ?」と聞き返しが多かったり、


 後ろから話し掛けると答えてくれないなど、


 聞こえについて気になる事があったら、相談してみて下さい。




◎大人と一緒に楽しく遊べる(対人関係)


 ○おとなが「ちょうだい」と言うと、「ハイ」と渡したり、「イヤ」と拒んだりする


 やりとりする力の表れです。



 ○こちょこちょくすぐるときゃっきゃ笑い、「もっとやって」という仕草をしてねだる。


 おとなと一緒に楽しく遊んだり、やり取りしたり出来るのは、


 ことばの基礎になる“人との関係”が出来ている証拠です。


 待っていればだんだんに、ことばも増えてくるでしょう。





↑これら↑が出来ているなら、


たぶん 個人差によって言葉が遅いだけ です。



あまり心配せずに、楽しく遊びながら過ごしましょう





☆こんな場合は、全体発達を促すようにしましょう☆



◎言葉も遅いし、落ち着きがなくてあちこち走り回る。


落ち着きなく動き回るのは、小さい子の象徴です。


脳が次々動き回るよう、指令を出しているのですから、仕方ありません。


大きくなれば落ち着くのが普通です。


落ち着く時期にも個人差があり、


1歳6ヶ月で治まる子もいれば、


2歳半・3歳過ぎまでかかる子もいます。


中には、軽い障害の表れとしての“落ち着きのなさ”もありますが、


からだを使った乱暴な遊びをいっぱいする事が、落ち着く力を育てます。




◎呼びかけても、全然振り向きもしないし、反応もしない


多くは個性によるもので、


幼稚園に入る頃にはだんだんに外の事に注意を向けられるようになり、


お返事したり出来るようになります。


でも、中には、


人への関心が元々弱くて、


その結果、ことばの発達も遅れるお子さんもいます。


よく遊んで、人への興味や関心を育てる事が大事です。




◎こちらの言っている事がわかっているのかどうか、わからない。


話し掛けられている事がよく理解できていないとすれば、


身振りを使ったり、表情豊かに話し掛けるなど、


その子にとってわかりやすい話し掛け方を工夫する必要があります。




◎1人で黙々とミニカーを1列に並べてばかりいる


それだけだと、遊びの幅が広がりません。


もっとからだを使った遊びもしましょう。




◎一緒に遊ぶのが嫌いみたい


性格や個人差の場合もありますが、


よく遊んであげるに越したことはありません。


「おとなと一緒に遊ぶと、


ひとりだけで遊ぶ時よりずっとおもしろい!」と思えるようになれば、


上手に人を頼れるようになり、ことばも覚えてゆきます。





☆よく遊び、よく遊べ☆


「遊び」は、子どもが伸びてゆくための栄養です。


無駄な事や同じ事の繰り返しのように見えても、


必ずどこかで役に立っています。


オモチャを使うよりも、からだを使った遊びの方が効果的です。


からだを使って十分に遊ぶには、


遊び方を教えてもらう必要があります。


近くに「遊びのグループ」があるなら、それを上手に利用しましょう。




☆楽しく自然に話しかけましょう☆


ことばが遅いと「話し掛けてあげましょう」とよく言われますが、


「わんわんよ、わんわん!」とせっせと話し掛けたり、


「これなあに?言ってごらん」と迫ったりしても、


まだお話しする時期が来ていない子は、いやがるだけです。


朝は「おはよう」、食事の時は「おいしいね」、


お風呂の時は「お風呂入ろうね」、


着替えの時は「はい、パンツはきますよ~」などと、


思わず話し掛けてしまいますよね?


そういう自然な話し掛けで十分です。


なるべく楽しそうに話し掛けてあげましょう。




☆「むにゃむにゃ語」も、りっぱな「ことば」☆


ちゃんとした日本語ではないけれど、


いっぱい「ことば」を持っている子がいます。


「ミ」は「おやすみ」の事、「ゴ」は「リンゴ」の事。


「(むにゃむにゃ)マア」は「ごちそうさま」の事。


ことばの一部だけしか言わなかったり、「むにゃむにゃ語」でも、


一生懸命お話しているのですから、


「ゴじゃなくて、り・ん・ごでしょ!」とか注意しないで、


さりげなく「りんごだね」とか「ごちそうさま~」と言ってあげましょう。


自分の言った事を認めてもらうと、


うれしいな、もっと言おうという気持ちになります。



※中川佳子 著 『健診と言葉の相談』より