イナズマイレブンオリオンの刻印が終わっている理由を書くにあたり
受けるであろう反対意見
「過去作はなぜ許されたのか」
を語るために別記事に分けました
一つの記事に盛り込むとすさまじい容量になって終わりが見えなくなる点と
そもそも文字数が1万どころか4万超えるので無理
という点からそうしました
オリオンはイナズマイレブンの集大成だった?!
オリオン財団=ガルシルド+フィフスセクター
一星充=剣城+吹雪?!
オリオンにおいて絶対に外せないのが一星充という登場人物
「一星は兄弟のために不正を強要する権力をもった組織(オリオン財団)に加入して非道なことをしたが、剣城だって兄弟のために不正を強要する権力をもった組織(フィフスセクター)に加入して非道なことをしているじゃないか
何が違うんだ懐古厨
お前の食わず嫌いを新作に勝手に押し付けて自分の好きな過去作を美化しているだけだ!」
と言いたくなるファンの気持ちもわかります
ですがこの二者は所属している組織が設立背景から目的まで全く異なるものであり、またこの両者も(特に一星は)最終的な着地点まで見れば全く違うものになり
結果一星側は擁護できないほどの杜撰さが目立つということになります
剣城のやった行為
・フィフスからの監視目的か偶然か雷門に転入する
・初日に早速神聖なグラウンドで二軍雷門をいじめる(も兼ねた視察と間引き?)
・サッカーボールを蹴ってゴミ箱に入れる
・それに飽き足らず旧部室の看板をボールで破壊する
・一軍雷門は聖帝の命令という名目で黒の騎士団を従えてボコボコにする
・その後も組織に所属するシードとして監視し、ついに万能坂戦でチームと試合に強制介入し試合開始早々いきなりオウンゴールを決め、万能坂に協力する形で革命の中心人物である松風天馬をはじめとした反乱分子をボールを用いて徹底攻撃
特に序盤のボールダストシュートだったり円堂世代の看板破壊行為に関しては
下手すれば無印愛好家ぶち切れ待ったなし炎上確定案件ですが、
これには様々な意味を込めることができます
例えば
・旧サッカー部の象徴を破壊することで自分はこれまでの”サッカー”を否定する立場であることを公の場で示した
・管理されていないサッカーを愛しているもの(上記行為に怒りを覚える存在)つまり反乱分子をあぶりだし、それを力で叩き潰すことによりフィフスの支配をより強固なものにしようとするため
などと捉えると剣城の行為は露悪的なものでもなければ
練習試合に来た鬼道たちのような半ば黒歴史扱いされる敵キャラ要素でもないですよね
(上記行為をちょっと乗り気味でやっていた件に関してはこの際不問とします)
事実、ゲーム版においては公衆の面前で二軍・一軍ともに剣城がボコしたことで
名門サッカー部は「弱小サッカー部」の烙印を押され校内における求心力を失い、
入部希望者は前年度に比べて大幅に減少し、たった数名。
さらに二軍メンバーは全員退部するという、味方勢力に壊滅的な被害を与えています(結果論にはなりますが去っていったメンバーなどは内申書目当てだったりほぼフィフス側のサッカーを腐敗させた側であったことが判明するため、ある意味自浄作用を施したともとらえられなくない徹底ぶり)
また、剣城というキャラ自体初めから敵として登場しており、仲間面はおろかチームに加入する気なんてさらさらない。また化身を使えて、二軍どころか全国経験ありのサッカーランクAである一軍雷門だって手も足も出ないほどの強キャラである
つまりこれでもかといわんばかりに強い敵キャラであることをアピールしており、
現代のサッカーとフィフスがどういう関係なのかはしっかりと掘り下げて(というか物語開始前からしっかりと設定が定められたうえで話が進んでいるように見える)から描写しているので
冷酷そう、強そうという印象を与え、そして自由なサッカーと二度とサッカーができないことに何かトラウマでもあるのかな、とほんのりと後の剣城のキャラが唐突になりすぎないように伏線を張っているんですよ
で、片やその問題の一星はといえば
・最初から国家友好親善大使の名の元、ロシアのクラブチームからやってきた助っ人留学生ポジション(肩書強い)でイナズマジャパンの仲間(ただし即ぼろを出す)
・強キャラ要素を盛った割には潰すやり方がそれとは結び付かないものばかりで、ことごとくしょぼい。それもバレないように事故に見せかけるがメインだから陰湿で生ぬるい
・一星に兄弟設定が明確に出た(触れた)のは本編の途中であり、そのために戦っていたと言われても無理やり感と唐突感が否めない
「いや、一星の兄弟に関してはオリオン開始一話の冒頭から出ていただろ」「岩戸の文通相手とか伏線もそれなりにあっただろ」と言われればそうなんだが
あれで「ああ兄弟がいたんだ」と思う人はいてもそれがどう結びつくのかは不明だし、なにより一星は選手が二度とサッカーができなくなるほど凶悪で陰湿な行為を繰り返しているのにバスの事故になると途端にトラウマを思い出し、急に罪の意識に苛まれるという不条理さがあります
上記の剣城がやった露悪的な行動は意味があるものと解釈できる範疇のものでしたが、
一星のそれはただただ自分の任務をやり辛くするだけの不必要なことです
彼の役目ってGOのシードでいうところの「チームにうまく溶け込んで内側から徐々に支配していくこと、またはチーム同士の不和や軋轢を生んで任務をやりやすくする」ことですよね?
であるならばもっと自然にやるべきです
鬼道がドーピング疑惑で排除されそうになったら
「鬼道さんほどの人がドーピングだなんて…ありえません!そんなの絶対に何かの間違いです!!俺、ちょっと抗議してきます!」
くらいやっておけば自身にかけられていた疑いの目は晴れるし
何よりずっと聖人アピールをしておけば自身を疑い続ける灰崎をチームから孤立させることができたり、チームを「一星を仲間だと信じているもの」と
「一星を敵だと疑うもの」で分離させ対立を生んで瓦解させることも可能ですよね
なのにやったことといえば憂さ晴らしに近い種明かしと安っぽい挑発という…
こんなに素人目から見ても明らかなボロを出し続けた挙句もうどうしようもなくなったから開き直って正体を明かし、自身を排除しに来ようとするものが現れた途端に「仲間」であることを持ち出して自己保身に走るなんて…愚か過ぎませんか??
挙句一番外しちゃいけない兄弟のため設定が逆張り脚本によって全て無に帰したんですよ
実は弟のために悪者にならざるを得なかった
でも実は弟は自分で兄貴の方が先に死んでいた。自分は存在しない兄のふりをしていた
なんて…(笑)
もうどう擁護してよいかわかりませんよね
ちなみに剣城は自身が贖罪のために戦ってきた兄に自分の所業が明るみになり、
それできちんと断罪され、そのあと押しもあって雷門に加入します
剣城が組織を抜ける理由としても制裁を受けた描写としても完璧ですよね
一方一星はすでにこの世に存在しない兄のために、兄を演じていたという
それまでの「一星は弟のために戦っていた」という前提を覆すほどの暴挙に出ています
・きちんと存在する兄弟のために戦っていた
・しかしその兄弟から自分の悪行の制裁を受ける
という二点があるだけでも剣城と一星は何もかもが違います
正直比べることすら烏滸がましいレベルです
こういうと今度は亡くなった兄弟のために兄弟の人格を演じていた
の部分で吹雪の例を持ち出してくる人もいますが
吹雪の要素が許されたのって吹雪が終始味方だったからですよね
それも誰かに必要とされるためにやっていたのと実際皆必要としていたから
で、一星の兄弟設定ってだれか必要としていましたっけ
そして触れられるまでそういう兆候(一星が明確に誰かと入れ替わっている・弟や兄を演じている描写)ってありましたっけ
吹雪って監督が触れるまで何度もアツヤと入れ替わって試合してましたよね
こんな感じですべての設定がいい加減な後付けかつ蛇足で
茶番そのものな二番煎じ同然な展開で
設定は思い付きで挿入されたに等しいものだから考察する意欲すらわかない
そして大本のオリオン財団自体大して強くもないけど、人が(常識的に考えて)絶対にやらないことを手段を選ばず行う強敵!!であるから強敵だと全く1ミリも思えない
所属組織が違うというのもここに理由があり
ぶっちゃけオリオンは金のかかったぽっと出の巨大権力組織がフィフスの真似事をしているだけなんですよね
オリオンが世界を動かしていた描写って…アレスからありましたっけ
せいぜいヨネさんが「今の明日人の父親の姿を見たら明日人はきっとサッカーを嫌いになる」って言ってたくらいでそれ単体で見てもどういう風にもストーリーを繋げられる言ったら伏線でもなんでもないただの匂わせ展開ですよね
一方フィフスは腐敗したサッカー界が前身にあって、それを正すために生まれたという時代背景があり、
フィフスが管理しなければ特定のチームばかりが勝ってしまい、そこにお金や人が集まりやがて廃校になってしまう学校が出てくる→サッカーによる勝利でそれを取り戻せる→サッカーが人の価値を決めてしまう
というフィフスの在り方や必要性の見せ方に説得力がありますよね
もちろんそれを加味したうえでの突っ込みどころもあります
しかしオリオンは必要性がなくそれでいて突っ込みどころしかないから突っ込んでいるのであって、フィフスのように十分な必要性とそれに納得し得るだけの面白さと論理を最低限用意できればそこに突っ込むこともなかったでしょう
また、そもそもフィフスもオリオンもサッカーの持つ「価値」という側面を見て運営しているわけですが
フィフスはサッカーにおける勝利の価値を理解しているから試合内外でサッカーのルールを度外視した妨害はしてきませんでした
ゆえに試合の事前に勝敗指示を与え、多くの選手はそれを観客に悟られないように
実力で負けたように見せないといけないわけですよ
いうならば大衆の幸せ(廃校になる学校が救われる)のために
個人の幸せ(自由なサッカーをやりたい)を犠牲にしろ・することを強要しているのがフィフスであり、逆らうならば試合でルールに則り強い相手を差し向けて
ちゃんと実力でも権力でも強い巨大組織ということを示しています
が、オリオンはこのサッカーが持つ「価値」を試合の後に生じる効果
つまり過程ではなく結果だけを重視しているように思え、実際に「ビジネス」という言葉を使っていることからわかるようにサッカーでなければならない理由は特にありません。
たまたまこのイナズマイレブン世界において最も多くの人が熱中しており、
それに応じて金が動くコンテンツであるからサッカーでの勝敗に目を付けただけです
そしてその勝敗に目を向けておきながらやってることはその勝敗に最も泥を塗る行為。価値ある勝利を無価値にする行為です
フィフスが試合を管理して勝敗を無価値にしている行為に関しても
たまに勝敗指示のない試合で本気のやり取りをさせることで
反乱分子の不満のガス抜きを行い大衆の目を欺くという強固な支配体制を敷かせるための賢い方法で帳尻合わせが行われており、一縷の隙も無駄もありません
むしろ荒唐無稽な「手をつないでみんなでゴール」を基本理念で掲げているからこそ
このガス抜きが極めて有効に作用するのであってそういったギャップにも人間の心理を利用しようという巧みなフィフスの狡猾さが伺い知れます
実際この政策によって当初は味方サイドの雷門メンバーですらもフィフスのやり方には異を覚えながらも、我慢し続けることでいずれ本当の試合ができるから今だけはということに収まっており、だれもこの事実を公にしようとはしませんでした
一方オリオンの不正は我慢したからといって世界がよくなることはありません
財団所属の選手は逆らう選手に情け容赦のない手法で攻撃し、
それを我慢することでその選手の選手生命や活躍の場が再び与えられることはありません
なぜならそれはオリオンの目的が弱者の救済ではなく
どこまでいってもオリオン個人のビジネスが目的だからです
子供たちを救うのはビジネス存続のための手足が必要だからです 有効価値が無くなればイタリアのように廃棄されその代わりもマリクのような子供であふれているのでいくらでも替えが利きます(という風にトップが考えているようにしか見えない)
経済状況をよくすることで世界がよりよくなるという目算もあるのかもしれません
が、それイナズマイレブンと何か関係ありますか?
世界の経済がよくなって、貧困や貧富の格差がうまれなくなりリ・ハオや野坂のような不幸な子供たちを生み出さずによくなり、それによって世界が平和になる
これがサッカー青春群青劇を謳ってきたイナズマイレブンに一体なんの関係があるのでしょう
GOのフィフスはイナズマイレブンが描いてきたサッカーを中心に世界事情が動いており、それを救うためにサッカーを管理するという手法を選んでおり、
徹頭徹尾イナズマイレブンのため、その世界に所属する人に影響を与えています
そもそもそういった世界をよくする云々はすでにアレスで野坂が行っており、
まだそちらの方が説得力がありました
彼は優秀な人間を人為的に生み出すことができると証明されれば、やがて世界は優秀な人間だけであふれかえり、それによって生まれた時間で自分の家庭を見ることができ、従来の不要な出世争いや無能による時間の浪費が減り、
その分旧世界よりもゆとりがうまれる
そしてその優秀な人間ということを手っ取り早く人々に証明するのは
イナズマイレブン世界において最も熱く最もメジャーなスポーツ・サッカーの大会
フットボールフロンティアで優勝することであった
一応の説得力はあり筋は通ってますよね
オリオンがビジネスを行う理由に貧しい子供たちに行き場を、
そしてサッカーをやりたい子供たちを救うというものがありますが
はっきりいってぜんぜん結びついていません
だってやってることといえばその子供たちを使って自分たちと同じ夢をもった少年たちを番外戦術で潰すような陰湿な行為で、犯罪の片棒を担がせているだけなんですから
フィフスは不幸な人間を生み出さないようにするためにきちんと従うものにはちゃんと道を示しており、また優秀な人間であればシードとしてスカウトされることもあり、そちらはちゃんと実力で強いので腐敗したサッカーによって本来やりたかったサッカーが潰される懸念も少ないです(万能坂の選手たちが道を閉ざされたのはサッカーで世界目指すなんてくだらないみたいなこと言ったのと度が過ぎた暴力を働いたからとしておきましょう)
また、ガス抜きの試合もあるので完全に不幸になることはありません
我慢の意味がちゃんとあり、またオリオンの中途半端な支配と違ってこちらはすでに支配が行き届いている=制服完了という点も強く、ここが明確な安定感の差につながっています
自分たちが救われるためには他のだれかを蹴落として犠牲にしなければならないという価値観を悪・善玉の両方が認識している組織なんて最低ですよね
しかもその蹴落とし方は最低限の守らなければならないルールすらガン無視という…
オリオンにおける善玉の「不正さえしていなければ、本来の試合に集中していれば悔いは残らなかった(不正に集中していた自分たちは試合をおろそかにしてしまった未練が残る)」だなんて笑い話にもならないでしょ
そんな意見が感想として出るってことは自分たちの所属する組織の信念を貫き通せていないってことなんですよ
フィフスがあることで救われた選手たちが自分たちの誇りをかけて
組織の掲げる管理サッカーを最後まで支持するっていう信念と主人公側の自由なサッカーを取り戻すという信念のぶつかり合いが描けていたから真剣勝負になったんです
・組織の命令で不正することは自分のサッカー選手としてのプライドが許さない
・けど真っ向から反旗を翻すわけにもいかないからとりあえず従う
・この行為によってオリオンのビジネスがうまくいき、自分たちのような子供たちが今後も救われるかもしれないというのは頭ではわかっている
・けどやっぱりいざ試合するとちゃんとサッカーしてるあいつら(ジャパン)はいいなー、だから自分たちは負けたんだ(ドヤ ※当たり前※
って…(笑)
不正することに集中して負けたって言い訳するんなら
不正しないで勝ってみてくださいよ オリオン財団の目的って
円滑なビジネスを行うために各国の勝率を操作することで
(現状の目的は)日本を勝たせないことですよね
で、実力で勝てない・苦戦するから調整として「不正」を行っているんですよね?
じゃあやっぱ実力で勝てないって認めてるじゃないですか笑
これまでオリオン財団の不正やれって命令さえなければちゃんとした試合ができていた・実力で圧倒的に勝ってたけど念には念を入れて不正して完膚なきまでに叩きのめすなんて描写ありましたか??
負けてるかよくて互角のいい勝負なんてしてるから
業を煮やした財団から「調整」が命じられてんだろwアホか
何がサッカーに向き合うだよ お前らは向き合っていようがいまいが日本に負けてんだよ
全てにおいて論理が破綻している
そもそも勝負の土台に上がろうとしないオリオンと
真っ向から勝負するフィフスは比べることもおこがましいレベルでもうなにもかもが違います
まとめると
・ちゃんと実力で強い敵
・ルール外の掟破りで非常識な手段を取らない
・設立の必要性が最低限筋が通っている・設定が練られている
・悪役であればきちんとした制裁を受けている
これがフィフスとオリオンの最大の違いですね
特にこれらの要素はそれぞれ一個だけ満たしていてもいけません
4つすべてを満たしてかつエンタメ的に面白い敵でなければいけません
(「ちゃんと実力で強い敵」に関しては「だってオリオンには風神・雷神すら通用しなかったオーストラリアのサタンもいるし、一之瀬すら手も足も出ずに負かしたネイビーインベーダーもいる、なんなら最終回直前で試合したシャドウ・オブ・オリオンは小細工なしで本当に強い私設兵じゃん」と言われるので)
(最後の悪役であればの下りは万能坂というオリオンの使徒の前身みたいなのがゲームだときちんと制裁されていたので加えました。悪辣な敵を出すだけだして「利用されていただけだから」って理由でお咎めなしっていうのは流石にひどすぎるので)
また最終的にフィフスの方は
支援者Xという未来人からの協力を得て設立された組織であることが判明し
未来世界において「セカンドステージチルドレン」という優秀なサッカープレイヤーの遺伝子を持つものから人類の進化系が生まれているらしく、
それを監視するために作られたのがフィフスセクター(の裏)
もちろん本筋はサッカーを管理してだれもサッカーによって不平等や不幸にならないようにしたいというものがあってのことですが
実際は双方の利益が一致したから協力していた、否支援者Xがこの時代のファクターである千宮路を利用した、とさえ考えることができますよね
そして新設定のはずの化身にも多くの意味を持たせることに成功し、それを管理することを含めての「管理サッカー」であったと詰めというものを完璧に理解しており、もはや単なる「後付け」の範疇をゆうに超えています
なぜあれほどの強大な影響力をもつ組織を運用する資金や技術(特にゴッドエデン)をこの短期間で発足し、準備することができたんだ
まるで出来レースのごとく管理サッカーが時代に台頭してきた
という疑問の答えすら用意できているという周到っぷり
これが次回作に繋がる布石にすらなるんですよ?もう非の打ち所がない…
これを集客が見込める最高のエンタメ要素である劇場版のラストで明かすというのがもうたまりません
天才です。まあこの脚本は日野脚本になっているみたいですが
後発の冨岡さん版の小説を見るとどうにもそれが怪しくみえてきますね
アイデアを出したのが日野であって冨岡さんが話を膨らませてくれただけなのでは??
って思ってしまう
他にもオリオンの使徒がガルシルドの例でも許されないのかという人もいますが
そもそもオリオンの刻印って、オリオン財団っていう組織との闘いがもうずーーーーっと続くわけなんですよ。今作の敵だから。当たり前ですよね
つまりそれって無印世界編でいうとずっとガルシルドとブラジルのような
「命令に従わなければ自分の大切なものが失われてしまうかもしれない。だから不正とはわかっていてもやるしかない」みたいな二律背反の葛藤をずっと見せつけられるわけなんですよ
これ、きつくないですか??
精神的に、ではなく絵面的に。物語的に面白くなくて。
前述のとおりオリオンの使徒たちってずっと
「本当のサッカーをやれたら悔いの残らない良い試合ができたかもしれないのに、自分たちを助けてくれたオリオンへの恩義もあって+さらに自分の大切な居場所が逆らうとなくなるかもしれない+自分たちの行為によってオリオンのビジネスがうまく進めば多くの人が救われるかもしれない」
っていう葛藤を抱いているわけなんですが
これずっと描かれてもしつこくて困りませんか??
いや知らんてそんな「親を犠牲にするか恋人を犠牲にするか」みたいな
究極の二択を常に突きつけられる展開
そういう問題提起をしたところで何か意味がありますか?
というかイナズマイレブンってそんなに社会情勢に切り込んだり
現代社会の問題を提起して警鐘を鳴らしていくような社会派啓蒙作品でしたっけ
昭和のプロパガンダ映画ですらもうちょっとまともな作品作るぞ
安易に、そして無意味に答えの見えないような問題に手を出して視聴者に投げかけ、
その解決法を「サッカーは楽しい」でぶん投げて育児放棄した大人や貧困とそれに伴う児童労働や毒親を痛烈に非難・揶揄するような作りにして
これを「大人っぽくてシリアス」「従来のイナズマイレブンにはなかった作品としての厚みや深み」
だなんて呼んでいるわけですか??
その割に不愉快で無神経なギャグと下劣な下ネタを挟み、人気キャラをアホにして特定の新キャラに自己投影して贔屓にするといった真面目でシリアスな物語を楽しむうえでのノイズをあちこちにねじこんでいて
もはや何が描きたいのか意味不明です
シリアスになりすぎないように箸休め的にギャグを置くとかそういう次元じゃないんですよこの作品は
というかそれを挟むことで本筋が一気に茶番臭くなるのでどんだけ話が重くなろうが混ぜてくるべきではありません
総じてオリオンの刻印は過去作と比較しなくてもぼろくそだけど
過去作と比較すらしてはいけないレベルで出来そのものがぜんぜん違うということは
ご理解いただけたでしょうか