新作イナズマイレブンのベータテスト版とはいえ
ひとまず一旦の正式な形を関係者のみならずわれわれ
一般ユーザーの目にも開放されたことで
その新作の全容も少しづつ明らかになってきましたね。

本作テスト版に存在する特典
1勝するごとに1枚が解放されていくヴィクトリーギャラリーの設定画などを見て新しいイナズマイレブンの到来にまたも期待に胸躍らせているユーザーの皆さんは多いことでしょう。

しかし歴史は繰り返すこともあるもの。
このわくわく感はギャラクシーで一度その歴史を閉じたかに思われたイナズマイレブンの復活、
イナズマイレブンアレスの天秤が発表されたときも同様だったはずです。
徐々にPVや設定資料、みんなで作り上げていく新作イナイレなどの応募で期待感高まっていったことを昨日のことのように思い出せます。

しかし出来上がったものは新作イナズマイレブンとしても
復活作品としても全く相応しくないギャグテイスト全開の
イナズマイレブンとは程遠い何かでした
なぜそうなってしまったのか
単にファンの期待が高まりすぎてしまったため?
いいえ全く違います。
なぜなら旧作の一切を抜きにしても

単純にアレスの天秤は作品としてつまらなく、

オリオンの刻印はもっと不快だからです。

今、イナズマイレブンがもう一度復活を果たそうとしているこの時期
何が良くて何が良くないのか
イナズマイレブンは本当に(面白い作品としての)良い方向に向かっているのか
同じ過ちが繰り返されるのかどうかこうやってグダグダと後悔してしまう前に

早い段階で判断する前に定義していきたいと思います。

 

【大事なのはキャラの見た目じゃない中身だ】

今回に関してキャラクターの見た目に対する評価は一切省かせていただきます。

なぜかというとそれは作品と物語においてほとんどといっていいか

あるいは極端に影響が少ないからです。

むしろこういった客寄せパンダ的要素を作品の触りにすればするほど

いざ視聴したときに視聴者に与えるがっかり感は半端じゃないです。

かっこいいキャラだと思ったのに大して活躍しなかったり、

意味のないことばを繰り返すだけのキャラクターだったり、

ちょっと考えれば誰でもわかるようなことを何か月も誰にも相談せず悩み続けているようなキャラだったり、

不正の犠牲にされるようなキャラクターだったり、

対策を立ててそれを実行したキャラクターだったのにあっさり看破されて

結局何がしたいのかわからない奴に成り下がったり、

裏設定や見た目だけが盛られていて本編では触れられなかったり、

似たような役回りや設定のキャラが多すぎて結局空気になったり

と見た目や声優が人気でも上記の要素が少しでも入っていたら不快になると思いませんか?

まあ要するにアレス・オリオンの二の舞にならないかどうか

ということです。

ゲームの発表にあたってそれまでアニメで散々な評価だった

キャラをすべて切り捨て全く新しい設定とキャラを持ってきましたが

根本的な部分が完成していなければどれだけ見た目が良くても変わりません。

 

アレスの天秤における

吉良ヒロトとタツヤの部分をなくした永世戦、めちゃくちゃなオリオンの使徒の試合

これらを矛盾点もストレスもなく本当に面白いと思えて

最期まで笑顔全開で見られる方にはこれ以上何も言うことはありませんが。

 

 

 

 

【キャラクターの描写などについて】

主人公である笹波雲明について日野社長のインタビューによれば
「最初は嫌なやつなんだけど嫌じゃなくなる瞬間を描く」と
称されており、地雷臭が激しくしますよね
(ファンが)嫌じゃなくなる瞬間を公式がどう捉えているかで受け入れられるか
受け入れられないかが決定するある意味リスキーといえるでしょう
元がめちゃくちゃ魅力的なデザインのキャラならともかく
松風天馬に始まり近年の作品は稲森明日人など

やや魅力に欠けるような第一印象を受けるデザインのものが多いです

それは今作の笹波くんも例外ではありません
この上で嫌われやすい要素が存在するなら

しょっぱなの掴みは厳しいと言わざるを得ないでしょう

というかなんでそんな賭けに出たのかも不明です

ドライでニヒルなキャラについては奥入や小僧丸の一件から

どんなにいいところを見せても根本から拒絶感が強まる、

「受け入れられがたい」ということを学ばなかったのでしょうか

 

日野社長もしくは制作陣は嫌味なキャラや不良少年が捨て猫を拾えば

それまでにしたどんな悪事も許容される・できると思っているのでしょうか

第一印象最悪のキャラを覆すのは相当難しいです

全体的にみれば「茶番」とされることも多く、作中キャラばかりが

特定のキャラを絶賛するばかりだと視聴者からの反感も生みやすいです

もちろん最初にそういった反発があればあるほど

合致したときに、好きになったときには根強いファンを獲得することも可能に

なりますが、相応に納得のいくレベルのものを提供できなければ

作品の評価にも関わるほどの諸刃の剣です

このバランスは初心者が手を出すには非常に難しく癖が強い分野といえます

さらに雲明が金雲よろしいトンデモ作戦を提供して
ギャグに走った場合またこれの繰り返しです

つまりこういった役回りを笹波が金雲のようにやって
周りが脳死でついていくような展開にすれば全く同じなわけですよ


そしてまた例によって近年のレベルファイブは
イナズマイレブンにおけるサッカーの側面および
近代サッカーを重視しているような印象を受けるので
雲明がリアルサッカー重視戦法で超次元サッカーを打ち崩す
(相手に技を使わせずに勝つ、真正面からの戦闘を避ける、それによって「あいつらすごい」と無条件に称賛される)
ということになれば結果は形を変えたアレスの天秤であり

それは本当にイナズマイレブンの集大成として相応しいのか?ということになります

 

ちなみに前身とされていたグレートロードその前身であるアレスの天秤では

「復活作品としてすごくふさわしいものになっている」と社長直々に

太鼓判を押しており、

「新作から入ってくる人、旧作から見ているファンの両方を納得させるような物語」

「大人っぽくシリアスな展開」

と謳われています

もしこれらの言葉をアニメイナズマイレブンアレスの天秤・オリオンの刻印を

視聴した上で「本当にそう思う!」「制作の言った通り!」と

思えない人は今回のこういった発言の類を一切信用すべきではありません。

人間口では何とでも言えます

 

本当に優れた作品を創り出す方々は自らの言葉でぺらぺらと語ったりしません。

作品の面白さだけで語ります。

 

【設定にかける時間など】

何よりアレスから続く新作イナイレは

設定にかける時間がやたら長い・豊富なことと

その設定をぺらぺらとインタビューで喋っていることを

非常に目につく機会が多いんですよね

ダメ押しといわんばかりにアレスでの没ネタ
・強い雷門がラスボスで魔王

というものに着手している
初期設定からの大幅な変更などが何度も行われること、など

不安になるような要素しかないですよね

 


さらにアレスの天秤とオリオンの刻印に対して
十分な尺が取れずキャラクターの掘り下げができなかったから
受け入れられなかったと捉えているのならそれは大きな間違いであるといえます
どれだけ時間をかけてじっくりとキャラを描写して掘り下げても
そのキャラが魅力的でないなら掘り下げても時間の無駄だからです
極端な話一星充のキャラクターを3話や10話かけて掘り下げても

それは視聴者の心に一切響かないでしょう
また元を辿ればそれまでイナズマイレブンでやってこなかった
キャラクターの明確な掘り下げを行うという発言は
アレスの天秤の発表以前にも言っていたことである
にもかかわらず全くできていなかった
そのための努力も一切しなかった

 

そもそもイナズマイレブン初代があれだけ受け入れられたのは

じっくり話数を使ってキャラを描いたからではなくむしろその逆で
必要な描写のみに絞り1話1話に視聴者に違和感を感じさせない程度に詰め込んで

見せるべき描写と課題・解決を絞ったからであり
GOはGOでそんな初代アニメの制作陣を引き継いだうえに
おふざけを一切挟まなかったシリアスな物語だから受け入れられたのです

長らくイナズマイレブンに携わってきたOLMを
オリオンの刻印で失敗したからかは不明ですが切り捨てて
今流行りの、新しいものに乗れば、という思惑が見て取れます

 

 

また今回の世界観も

完全に新しい世界観ではなくまた未来やパラレルの話ですよね。

しかも例によって雷門続投。おまけに初代キャラの子孫まで登場する予定です。

 

もっと重要なキャラまで登場するらしいですが

オリオンの刻印で無敵ヶ原富士丸が登場したときも同じような雰囲気を感じませんでしたか?

 

謎の強キャラ感、蓋を開けてみれば大して強くもない、偉そうな口調、

たびたび取り上げられる貧困N号

とロクでもないことが分かりましたよね

 

【レベルファイブ大好き不良くん問題】

イナズマイレブンという目線でみれば最初に登場した敵っぽいキャラも不良でしたよね

GOでもクロノストーンにおけるゲームイベントや九坂をはじめとした不良など

そしてアレスの天秤の吉良ヒロトに始まりメガトン級ムサシも不良でしたよね

 

例によってヴィクトリーロードでも不良っぽいのが出てきますよね

キャラを掘り下げる発言から推測するにまたこういったのが出てきそうです

 

 

【体験版から見るシステム内容】

現段階ではかなり怪しいです。

そしてこのベータテスト版がレアリティを集めさせる仕様じゃないと言っている以上、製品版はこれよりも苦しい環境で集めることになる可能性があります。

レア度を上げなければ勝てない・そもそも勝負にならない

のにレア度を上げると必要経験値が増えて中々能力が上がらない

という2重苦なのに対戦システムも

 

・テンションを上げなければ必殺技をまともに打つこともままならない

・そのテンションを獲得するにはフォーカスバトルで勝たなければならない(負けても手に入るが半分くらいで勝つ側が有利)

・フォーカスバトルはCPU相手ですら勝率不安定の五分五分仕様でどれだけプレイヤーが反射神経()とやらで頑張って入力しても絶対に勝てない対面があるという安定とは程遠い理不尽なもので、常に不安に駆り立てられるシステム

・フォーカスなしで対応するスクランブルは互角能力値だとジャストでボタンを押しても負けることがあり、ラフアタックはファウル、さらにパワー系統コマンドも高確率でファウルをとられる地雷選択肢。このため負ければずっと負けっぱなしになる

・必殺技を用いないもしくはスクランブルにでも持ち込まない限り能力値はあってないようなもの。そのスクランブルも能力値だけでは勝てない仕様だからレベルを上げる意義が見出せない

・経験値が完全ランダム分散仕様なので全く安定しない。育成も遅くなる

 

といった従来にあった爽快で

勝ちやすいものではなくなっているので

このまま製品化・これに準ずる機能で製品化してもまあ厳しいかな、と

ストーリーをまともに進めるのさえ大変そう。サッカーバトルとか勝てるのこれ?

みたいな。

一応アップデートで大幅な改善が見込まれるとのことで

あの悪名高い「ひっさつ」システムは根本から見直され

一撃必殺ではなくKPのダメージに変更されました。

 

ね、

あれだけ「怖いものとして受け入れろ」なんて息巻いていたくせに

ユーザーの猛反対を受けてあっさりと自分の言葉を曲げているんですよ

これ、どっかで見たことありませんか?そうですアレスの天秤・オリオンの刻印です。

前回のぼろくそにこき下ろした記事「アレスオリオンの失敗」でも語りましたが

自分の信念を貫き通す力がない というのと

何が悪かったのか根本的に理解していない というのがありましたが

案の定今回もそうでした。

ひっさつのオン・オフ設定を導入して緊張感を楽しみたい人だけオンにする

など改善策は色々あったと思いますがその中で公式が導き出した回答がなんと完全仕様変更の弱体化

しかもきあいについては一切触れられていませんでした。

普通対になっている現象として紹介されているシステムの片割れを紹介しないって

どういう了見なんでしょうかね

もしきあいだけ続投ならそれはそれでどうかと思いますが

必死で溜めたテンションを攻撃に使って間違いなく、ようやく、得点できる

という場面ではいきあい。ストレスたまりますよね

そもそもの話従来のクリティカルで十分戦略性もあったしよかったと

多くの配信者やテストプレイヤーが言っているのにそれはガン無視

じゃあそんな大規模な変革ができないほどシステムが固まっているのかなと

思いきや今回の大幅な仕様変更アップデート。

ユーザーの意見を聞く気、本当にあるんですかね

 

ひっさつがいらないとされる理由など

なぜそれが不満点を持たれているのかなどを理解せずに

安易に「言われたから直す。なおどこが悪かったのかはわからない」という

修正なので新たな問題が出てもまたやり直しですよね

イナズマポストに投函しろだの脳死で返信してる人は今回のアップデートで

何一つ改善されていない状況についてもう一度返信するまえに

頭を使ってよく考えてみた方がいいですよ

この会社が人の話を聞く気があるのかないのかについて。ね。

 

【不義理】

さっきも軽く触れましたが

今回アニメーションは長らくイナズマイレブンに携わってくださっていた

OLMじゃなくてMAPPAになっています。

まあ簡単な推測を言えばアレス・オリオンで大コケしたから

心機一転かつ人気アニメーション会社に依頼すればきっと大丈夫!

という感じでしょうかね。秋山さんや冨岡さんを制作から降ろした件から

まだ何も学んでいないんですね

絶対に自分の構想は正しかったんだ!受け入れられなかったのは僕の理想を

十分実現させられなかったOLMのせいだ!

そう言っているようにしか聞こえません

アレス・オリオンが受け入れられなかったのは

社長の非常識な人間性が作品にこれでもかと表れて様々な不義理ともとれる

言動を繰り返したことによるしわ寄せだというのに。

中身をちゃんと見てもらうためにはまずそれを与えられるファンや制作に対する誠意なのに

ここまでのアンチ秋山・アニメ版イナズマイレブンぶりを見るとほとほと

嫌気がさして感動すら覚えてきますね。

でもイラストレーターの長野さんだけは絶対に手放さないという徹底ぶり。

どれだけ長野さんのデザインと光田さんの音楽が優れていても

脚本の杜撰さや不快感は全く拭えなかったじゃないですか。

 

だから関係ないんですよ絵がきれいとか歌がいいとか

そんなものはひとつの要素に過ぎなくて一番肝心な中身がなければ

作品としては評価されないんですよ

いくつものヒットをたたき出してきた脚本のプロが作った作品ですら

重箱の隅をつついてくるようなファン(やアンチ)によって叩かれることがあるのに

脚本・物語に関して完全ド素人の社長がすべて手掛けた作品なんて

叩かれないわけがないじゃないですか

 

「わたしはこれこれこれだけ頑張った!」

「わたしはこんなにも努力した、受け入れられるために工夫した!」

 

受け入れられるために頑張るのも努力するのも当たり前なんですよ。

遊びじゃないんですから。さもそれが特別なことですごく頑張って

自分以外そんなことできなかった大困難なことで自分は褒めて称えられるべきだ

と考えているんなら見当違いの思い上がりもいいところです

他のプロたちはそうやって他社の作品と面白さやユーザーをより多くつけてもらう

ために必死こいて寝る間も惜しんで切磋琢磨しているんです

受け入れられるために何ができるか、作品を面白くするためにはどうすればいいか

そうやって創意工夫して頑張ることは他のどの会社も普通にやっている当たり前のことです。

評価しなかったユーザーが悪いなどはもってのほかです

 

今回の不義理や不具合に対する対応などを見る以上

アレスやオリオンでやってきた非常識なことから何も変わっていないなということが

随所から見て取れます。

初代の25年後なら天馬の世代なのにまだ円堂ハルなど円堂世代を擦っているし

設定やキレイな映像だけが先行して中身の部分が勢いで誤魔化し切れると思っている

 

 

 

【では何を解決しなければならないのか】

試合をまともにやるにしても

・創作物として理解できるレベルでの非現実と現実をすり合わせる

オリオンのスペイン戦のような2対1で味方に押してもらうなんて非常識なプレーは

現実では起きないんですよ 超次元サッカーならなおさらそんな凡手通用するわけないんですよ

フィジカルが強い相手にドリブルで突破なんて

誰も思いつかなかったんですか?過去に世界の強豪国は。

それをもって最強チームや高ランキングなんて言われているんですか??

 

つまり肩書や実力が強いチームが全くそう見えない展開

それが問題です

 

・永世戦のような展開

永世戦に限らずですが雑に失点されてキーパーが得意げだったり

点の取り合いになるだけの冗長な試合なのに2話、3話も使うとか

尺の無駄使いですよね

キャラの掘り下げに時間を使った後もなお試合が終わらなかったり

敵は最強の雷門!!!とかしておきながら

蓋を開けてみれば決勝まで勝ち上がった南雲原は強い→通常シュートで雑に失点→ぐわあああいつらは強い!!

だったら意味がないんですよ

 

 

 

 

 

【総評として】

絶対に失敗します。断言します。絶対に。

 

これでもしヴィクトリーロードがイナズマイレブン史上最高傑作!

集大成として相応しい!!

となるようだったら私に「先見の明がなかった」と

この記事と共に「的外れ」だと遠慮なく罵倒してください。

というかそうあってほしいです。