調査日誌298日目 -明治42年の浪江駅周辺の名所- | 『大字誌 浪江町○○』調査日誌

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旧「『大字誌浪江町権現堂』編さん室、調査日誌」のブログ。2021年3月12日より『大字誌 浪江町権現堂』(仮)を刊行すべく活動をはじめました。2023年11月1日より町域全体の調査・研究のため新装オープン。

2022年1月4日。

 

浪江町大字権現堂について研究中の西村慎太郎です😊

前回は妙見信仰について確認してみました。『浪江町史』に記された1月2日の「妙見詣り」が比較的新しい風習であった可能性について述べてみました。というわけで、妙見信仰については資料・情報を集めつつも、まずはここまで。

 

今回は明治42年(1909)に刊行された『平・盛岡間鉄道沿線案内』に記された浪江駅周辺の情報について検証してみたいと思います。常磐線浪江駅の成立、そして東京府の田端駅と宮城県の岩沼駅が開通したのが明治31年ですから、開通後11年ということですね。執筆者は氏家寅治、出版は仙台の藤崎書店。

以前のブログでも明治35年9月刊行の桜井純一編『日本鉄道線路案内記』(博文館、1902年)について触れましたが、この本の7年後の刊行ということですね。

調査日誌(勉強中)166日目 -明治35年の浪江駅周辺の名所-

 

浪江駅については、「福島県双葉郡浪江町権現堂に在り、郡の北端に位し繁華の地たり、中村町と併んで相馬焼の産地なる大堀村は此駅より一里半に過ぎず」と記されています。注目すべきは、「繁華の地」と評されている点ですね。近くですと小高や原ノ町も同様の評価になっています。

次に浪江駅周辺の名所として神鳴山・千手観音・不動尊を掲げます。神鳴山については以前のブログでは所在地が分からず情報を募ったところ、大字小丸の地で、森林鉄道が走っていたという情報を頂きました😍 神鳴隧道は現在でも遺っているようですね。情報ありがとうございます!!

 

千手観音は幾世橋村と記されていますが、ちょっと不明。このあたりの古刹だとすると大聖寺さんかと思いましたが??

 

もうひとつは刈野村(苅野村)の不動尊。『平・盛岡間鉄道沿線案内』では「刈野村」と記されていたので、咄嗟に分からなかったのですが、藤橋不動尊のことかと思われます。

 

なお、浪江駅周辺の旅館として恵比壽屋・百足屋・鹿島屋が挙げられています。