入社4年目で中央研究所に異動になった
当時の研究所は事業部からの依頼で研究テーマが決められていた。
研究所内での自身の評価は低かったと思う。
目立った成果を上げられず、馬鹿にされるような事も露骨に言われるようになった。
研究部の再編があり、情報システムを研究する部ができ、事業部出身者が新たな部長となった。
その部長の言葉がなぜか私に突き刺さった
「売ることを考えなさい」
研究部は研究するところ、商売は事業部が行う
それが当時の役割分担だった
今なら、絶対無理だと思うが、上司に嘘をついて、事業部の営業を巻き込み、自分が開発に関わった情報システムを売りに歩いた。
売れると状況が変わっていった。
新規に研究開発費が認められた。
そこからは好循環。予算化されてなくとも、必要機材を購入できた。事業部からの応援もあり、どんもん、売れるようになった。
売れるとまた、研究開発費の増額が認められる
研究所にいる人は、相変わらずバカにしていたが
人を感動させるプレゼンより、売れたという事実の方が圧倒的に強い
「売ることを考えなさい」はユーザーの立場で考えろというのが部長が言いたかったことだろう
深く考えず
「売ること」だけを考えていた。
落ちこぼれ社員である私が生きて来れたのはこの言葉のおかげだと思う。