たけおくんの町にも、春がやってきました。さくらがきれいにさいています。
ほんとうなら、学校にいっているはずのたけおくん。
でも学校はお休み。
「つまんなーい。おかあさん、公園でサッカーしてくる」
「だめよ、昨日、おうちから外に出てはいけません、ってえらい人が言ってたよね」
「いいんだよ。
ヨッシーと約束したんだ」
気をつけるのよ...
おかあさんはそう言うしかありませんでした。
ヨッシーは、たけおくんの久しぶりに出来た親友だったから。

公園には人はいませんでした。それどころか、たけおくんは公園に来るまで、誰ともすれ違っていません。

街に出ている人は、誰もいないのです。
「わーい」
たけおくんは、持っていたサッカーボールをドリブルします。大きくなったら、Jリーガーになるんだ、って決めているたけおくん。
どんどん、スピードを上げてドリブルしています。
ところが。
道に落ちていた、誰かが食べた後のハンバーガーのゴミ。
たけおくんは気づくことができませんでした。
左足が変な曲がりかたをして、
「あーーーー」。

コンクリートの地面が、真っ赤に染まっていました。

つづく。