「たけお」
おかあさんは悔しくて、泣きたいんだけど泣けません。
「大好きな焼きそばだよ」
ガラスの向こうで、一生懸命呼吸しているたけおくんが気づくはずもなく。
友達と一緒だからって、やっぱり行かせちゃダメだった。でも行かせてしまった。おかあさんは泣きそうです。

その頃、たけおくんは、観たこともない景色の中にいました。
頭が、いたい。
目覚めると、4人、っていうか、1人と3匹が、周りを取り囲んでいます。

たけおくん、起きた?
よく来てくれたね。
いっぱい食べて♪

かわいい女性が3人、たけおくんを取り囲んで。
たくさんのご馳走を食べさせてくれます。
たけおくんの大好きな焼きそばはもちろん、分厚いステーキも、おさしみも、お寿司も、普段のおうちでは食べられないものばかり。
楽しい歌や踊りもあって、とっても楽しいパーティーです。

おいしーい。
楽しい。
幸せ。
でも、お腹いっぱいだよ。

たけおくんが眠りに落ちた頃。

あー、もう。
いっぱい食いやがって。
ただでさえ、このご時世。
予算カットされてる、ちゅうねん。

ぼやきの声が聞こえると、さっきまでたけおくんに笑顔を見せていた女性たちが。

ええやん。食べ頃の男の子。
精力つきそうやん。

ハハハハハハ。

つづく。