いつものように出勤するとオーナーから
「系列の店のシャンパンが切れちゃったから、
届けに行ってきて」
と言われて、いつきは自分の店から
徒歩10分ほどのBARにシャンパンを届けに行った。


店に入るとなかなか広めの店内に
区切られた席が何席かあり、
席は全て満卓だった。

お客さんはカラオケしたり
飲みゲームをしたり、盛り上がっていた。
いつきは店長を探し出してシャンパンを届けた。

ハヤト「あ、いつきちゃんだよね!
初めまして!本当ありがとう。助かったー。
シャンパンがめちゃくちゃ出て困ってたんよ。」

いつき「すごい盛り上がってますね!
こっちの店はまだ暇なので全然大丈夫ですよ。」

ハヤト「本当に?じゃあ今いる客が友達だから、
あとでみんなを連れて店に顔出すよ。」

いつき「本当ですか!やったぁ。待ってますね。」

ハヤト「んじゃまたあとで!ありがとう!」


店に戻るとお客さんも来ていて、
いつものように営業が始まった。

日付が変わるくらいになるとハヤトが
友達を5.6人連れて店にやってきた。

いつき「わ、本当に来てくれたんですね!
ありがとうございます。」

ハヤト「あったりまえじゃん。
ちょうどシャンパンもなくなったし
こっちきたよ。」

店は満卓になりシャンパンが飛び交った。

閉店時間になり、店を閉めて、
みんなで近くのBARに顔を出すことになった。

ハヤト「俺らがよく行く仲良い店だから
いつきちゃんのこと紹介するよ。」

そう言ってお店の女の子も
みんなでBARに移動し、朝まで楽しく飲んだ。


ハヤト「いつきちゃん、連絡先教えてよ。」

いつき「あ、私も聞こうと思ってました!」

ハヤト「今度メシ行こ。また連絡するね。」


また飲もう〜!と、
みんなで約束して解散した。


それから毎日のようにハヤトから連絡が来て
ハヤトはたびたび、
いつきの店に顔を出すようになった。

何度もご飯に誘われたが、
なかなかタイミングが合わなかった。

しばらくしてお店が休みのタイミングで
ご飯に行くことになった。

2人は恵比寿で待ち合わせをして、
おしゃれな隠れ家的な店に連れて行ってもらった。

二軒ハシゴして、お酒もたくさん飲んだ。

いつき「うわぁもうこんな時間。
終電の時間なのでそろそろ〜」

ハヤト「えー、もう帰るの?
てかそろそろ敬語やめよう。笑
帰りタク代出すし、もう少しいようよ。」

そういわれていつきとハヤトは
もう一軒、BARに寄った。

そのBARで2人の距離は一気に近づいた。

帰りはちゃんとタクシーを呼んでくれて、
いつきは無事に帰宅した。

(あー楽しかったなぁ。
なんだろうこの久しぶりの感覚。)

いつもは気を遣って話すことばかりだったが
久しぶりに気を遣わず素でおしゃべりできて
いつきは楽しいと同時に、癒されたのだった。

そこから2人が付き合うのに時間はかからなかった。