裏

溜め息まがいの

静かな愚痴をこぼし

年下の男の子に

それは愛情の裏返しですね、と

冷静に言われ

あぁ、と言葉を失う

不本意なのはわかるが

なぜ裏返すのだ、裏返してしまうのだ

大切なものは

抱き締めればいいのに

敢えて粗末に扱うなんて

先日、他の場面で

あなたは裏がなさそう

非常に珍しいほど言葉に裏がないと言われて

一瞬思考が停止してしまった

もう、この際

私にも裏をくれ

私も裏で勝負したい、と

よくわからないことを思い詰める夜

明日がくるのが怖い

さまざまな意味で怖い