あと二ヶ月ほどで震災から一年を迎える。
そのことが信じられないくらい記憶に新しい。
あの日が、つい先日のことのように思える。
それだけ印象深く、心に刻まれた。
当時の日記を読み返せば、
間違いなく身体の脅えもよみがえるだろう。
だから、絶対に読み返したりはしない。
扉を開ければ、激流が襲ってくる。
それがわかっているなら、
わざわざ開ける必要はない。
鍵をかけてしまえばいい。
逃げではなく、身を守るということ。
あの出来事は忘れずに心にあるから、
見失うことはないと信じている。