糸 君と僕は 一本の糸で繋がっている しかし 離れているから姿は見えない 手繰り寄せることはできるけれど 互いに動くことはない 近付いたら そこから全てが始まる だから怖いのだ どちらかが手を放したら その瞬間に終わる もう引き寄せる手段はない 何の前触れもなく 君に手を放されるくらいなら 僕はそれよりも先に この手を放してしまおうかと思うんだ なんてね、 臆病な僕に そんなことができるはずもなく 今日も静かに夜を迎えるのです。