この間、図書館で本を選んでいるとき
ランドセルを背負った女の子二人の会話が聞こえてきた。
「これ、おもしろいよ」と一人が勧めていたので、
赤毛のアンとかズッコケ三人組とか
そのようなものだろうと手元を覗いてみたら、
太宰治だった…。
「ホントおもしろいんだよね、ハマるから」だそうだ。
感心してしまった。
あの女の子が人間失格を…と
感慨深い気持ちにさせられた。
自分の小学時代では考えられない。
人間の質が違うのだろうな。
でも、いいのさ。
あの有名な童謡詩人も言ってたものね、
「みんなちがって みんないい」って。
そういえば、本の貸し借りが
全て自動貸出返却機に変わった。
今まで司書の方がいたカウンターは
ほとんど無くなって、
銀行のATMのように機会が並んでいるだけ。
世の中どんどん人と接することなく
暮らしていけるようになっていく。
背表紙の裏に
手書きのカードが入っていた頃が懐かしい。
ジブリの「耳をすませば」を思い出す。
みんな変わっていく。
世も人も、なにもかも。