気怠さが纏わり付く。
植物園の熱帯温室にいるよう。
チューベローズになれたなら、
居心地良く しっとり花を咲かせるのに。
夜になると強く香りを放つなんて、
想像しただけで心が酔いそうだ。
この暑さでたくさん汗をかくせいか、
尋常でないくらい喉が渇く。
飲んでも飲んでも潤わない。
冷水を身体に流し込んでいると、
この水が血液になればいいと思う。
赤く熱を持ったものなんかじゃなく
冷たく透明なものにしたい。
花屋の店先に、蝶が舞っていた。
仲間に入れてほしい。
蜜を吸い、空を舞い、花と戯れる。
わたしにも美しい翅をくれないか..