そばにいてくれと言うのなら
わたしは
あなたが使う傘になる
憂鬱な雨の日にだけ 必要とされて
どこかに置き忘れてしまっても
少し悔やむくらいで
大して落ち込んだりはしない
そのせいで雨に打たれても
濡れた衣服を脱いでしまえば
冷たさなどすぐに忘れて 記憶に残ることもない
必要になったときには
新しい傘をまた買えばいい
わたしは
それくらいの存在でいい
それくらいが丁度いい
あなたはいつだって慎重に生きる人だから
きっと傘を置き忘れることなんてない
それをわかっていて
こんなことを言うわたしは
ほんの少しズルい