やまゆり園 相模原障害者殺傷事件―彼だけの問題では無く、日本の問題でもあると。 | 病気だらけのブログ

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読み専門でしたが、天才・努力家のダンサーながら過小評価されているジョルジュ・ドンの事を書くために始め、洋楽、マイケルジャクソン、ドストエフスキー、旅行、ユダヤ資本、政治、経済、社会問題などランダムに書いています。

人によって不愉快に思う人がいるかも知れません。悪しからず。

 

相模原障害者殺傷事件、求刑は死刑となり(予想通り)、社会は

彼を死刑にすることで、この問題に蓋をして終わりにしたいのかもしれません。収まりがいいと。

この人数の命が失われ、被告本人が精神的に問題は無いと主張しているので、そのままなら死刑になるし、それで死刑にならないと「障害者を軽んじている、けしからん」となる。

弁護士は、「当時は被告は正常な状態では無かった」として被告を死刑から救おうとしていますが、本人は正直で、それを否定し、謝罪では済まないと、自分の指を噛みちぎったとか。

 

この件は被告は衆議院議員と安部総理に犯行をほのめかす手紙を送っていました。それで措置入院し、重度障害者の施設で働けた。

 

犯人についてでは無くて、この事件の背景の問題や被告の動機や言い分に付いて議論がなされるべきだと思います。

これは彼だけの問題では無く、日本の問題でもあると。

 

彼のしたことは全くの間違いですが、重度障害者やその介護を普通の人より少しだけ知るものとして、この事件の片付け方(犯人を死刑でおしまい)に異議も疑問もあります。

 

障害者は施設かマンツーマン介護で支えられていますが、施設を建てようとすると住民反対。被害者の親らは裁判でもついたてで、殆どは被害者でも名前を出さない。

そういう社会。

 

この事件も、まずは裁判員裁判ですから、どういう結果になるか分かりませんが、裁判員に重度障害者や介護に身近な人がいるかいないかで結果は違うかも。

 

親戚で、重度身体障害と知的障害を併せ持つ子であるのが出産前から分かっていて、医師に産むか産まないかを問われて、産み、自宅で親だけ面倒を見ているうちがあります。が、子が高校生にもなると親が腰を痛め、大変そうでした。

 

また、ずいぶん前ですが、障害児に関わるボランティア(かなり軽いもので、お手伝い程度、介護とはほど遠い)をしたことがあります。障害児が小学生の高学年になると親も持て余し、「中学生になったら施設に入れようか迷っている」となって「施設に入れた。」になっていました。

身体が大きくなって面倒が見れなくなっていくようです。

(障害の程度や親にもよるとは思うけれど)

 

児童のうちは保護があり、施設の受け皿もあって、預けやすいし特別支援学校も1生徒に先生が1人付くという手厚いケースもあります。放課後預かり、長期休み預かりもあります

 

そして施設の子が、成人になると施設を成人用に変えなければならず、児童保護枠が外れると、人手のかかる人は施設がなかなか見つからないということも起きてきます。それだけ大変だと、親がとる方法は、親が専業主婦でも障害者を一人暮らしにして、マンツーマンで24時間の介護を付けるという方法。

身体の障害者でも、親に悪いからと行って20才くらいで一人暮らしをはじめ、マンツーマン介護を受けているケースを少なからず知っています。というか成人すると障害者は一人暮らしをする傾向が大きいかも?

 

マンツーマンの介護士さん曰く、親が元気でも、障害児(成人)一人暮らしをさせて、子供に会いにも見にも来ない、お正月にも来ないと。その子を記憶から消してるようにさえ思うと、散歩や外出もさせないし、同行もしないと。

マンツーマンの介護費用は、月の費用でも、少ない人の年収くらいになります(国が払うから成り立っている)。

3人が1日交代で入って、365日休み無しです。最低5,人は確保しないとならないでしょうし、食事の世話や家事はまた別の人が加わってやっているそうです。

 

年金問題、少子化問題も予想できていたのに官僚も議員も問題先送りしていますが、社会で障害者の面倒を見ますといても、施設も介護士さんも足りていません。

障害者の新規施設の建設に住民が反対し建てることも難しくなっています。

 

重複障害の介護は特に重労働(障害者は悪意が無くとも、排出物の始末や、暴れ)だと思います、そこにでも家族も(世間も)知らん顔で来ないとなれば、自分のしている仕事に疑問がわくかもしれません。

 

行為は間違いですが、介護は皆が考えないといけないことだと思います。

皆が考えていたら彼は行動に移さなかったかもしれません。