10月9日火曜日。晴れ。
今日は、サラエヴォ市内観光。
サラエヴォは、昔から、多様な民族や宗教、文化の混じりあった都市で、ざっくり言うと、ボスニア人(イスラム教)、セルビア人(セルビア正教)、クロアチア人(カトリック)、そしてユダヤ人(ユダヤ教)が共存している。
旧ユーゴ連邦は、「7つの国境(イタリア、ハンガリー、オーストリア、ブルガリア、ルーマニア、ギリシャ、アルバニア)、6つの共和国(スロベニア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、マケドニア、セルビア、モンテネグロ)、5つの民族(クロアチア人、スロベニア人、マケドニア人、セルビア人、モンテネグロ人)、4つの言語(クロアチア語、スロベニア語、セルビア語、マケドニア語)、3つの宗教(正教、イスラム教、カトリック)、2つの文字(ラテン文字、キリル文字)、1つの国(連邦国家)」(ウィキペディアより)と言われるほどの多様性に富んでいたけど、サラエヴォはその中心だった。
昨日から、歴史や観光名所を予習してたけど、見どころがいっぱいあって、どこから見ていけばよいのやら。。。
ひとまずは、相方のガイドブックに書いてる通りに行ってみることにする。
バシチャルシア。
イスラムの雰囲気漂う職人街。
水飲み場の周りには、ハトがいっぱいで、通称「ハト広場」。
売ってるものも、中近東のものが多く、イスタンブールに来た気分。
イスラム教のモスク。
メインストリートのある地点を境に、東を向けば、イスラムの香り、西を向けば、ヨーロッパの雰囲気になっていて、おもしろい。
ユダヤ教のシナゴーグ。
セルビア正教会。
カトリック大聖堂。
4つの異なる宗教の、祈祷施設が、徒歩5-10分圏内に集まっている。
こんな複雑な場所で、人々がお互いの多様性を認めながらずっと共存してきたなんて、サラエヴォの人々の懐の深さを感じる。(ユーゴ紛争が起きるまでは、の話だけど。)
もともとは、サラエヴォは、400年ほどオスマン朝に支配され、イスラムの雰囲気の濃い街だったけど、1878年に、オーストリア・ハンガリー帝国に支配され、そのたった40年の間に、かなり西洋化された。それが気にくわなかったのが、一部のセルビア人。1914年、事件が起こる。オーストリア・ハンガリー帝国の皇太子夫妻が、ここ、サラエヴォで、セルビア人青年に暗殺される。
事件現場近くのラテン橋。
その現場。
その後、すぐにオーストリア・ハンガリー帝国がセルビアに宣戦布告して、第一次世界大戦が始まった。
「ヨーロッパの火薬庫」と言われるバルカン半島の中心地、ここサラエヴォから、歴史が動いたってこと。
第ニ次大戦後、ユーゴスラビア連邦ができて、しばらくはカリスマ的指導者、チトーがうまく支配していたけど、彼の死後、80年代後半から90年代にかけ、ソ連の解体とも相まって、独立の気運が高まり、その中で、民族間の不調和と分断が広がった。
92年から始まったボスニア紛争では、スラブ人が、主にボスニア人を排除する民族浄化が行われた。1995年7月11日には、ボスニア東部のスレブレニツァでボスニア・ムスリム人8000人以上が虐殺された。この博物館では、写真や遺族の話をまとめたビデオが展示されている。
この、一見平穏に見える道路は、昔、スナイパー通りと言われ、常にスラブ人兵士が監視していて、どの民族にも関わらず、この道路を横断する一般市民が標的にされ、猛ダッシュで渡らないと、撃たれて死ぬこともあった。
銃弾の跡が、生々しく残る建物の壁。
サラエヴォに周りは、スラブ軍に包囲され、食料や水や電気の供給も乏しくなって、餓死する市民も出てきた。
国連軍が、空から物資を供給し、最後はNATO軍がユーゴ紛争を収めた。
こんなことが、私が中高生だった頃に起こっていたなんて信じられない。日本やアメリカで普通に日々過ごしていると、たとえ、新聞やニュースを毎日見ていても、世界で何が起こっているかなんて、しっかりと理解できない。20世紀の歴史が動いた場所、サラエヴォに来て、実際に自分の目で見て、感じて、やっと少し理解できた気がする。
今、高校の世界史のテスト受けたら、現役の時よりも、断然いい点数が取れそうな気がする。でも本当に、世界史を理解するには、歴史が動いた場所に、実際行ってみないとわからないことが多いと感じた。
今、世界で起こっている戦争、イラクやシリア、ロヒンギャの問題、そういう場所に、今は行けないけど、20年後ぐらいに、そこが平和になった時に訪れて、そうすると、理解がもっと深まるのかなあ。でも、今回のサラエヴォの件で学んだように、20年待たなくても、今、世界で起こっていることについて、もう少し注意を向けて、そこで起こっていることを想像して、何ができるか考えたり、傷ついた人の痛みが、自分の身に起こったら、と想像することだけでも、意味があるんじゃないかなと思った。それが、新たな悲劇を防ぐことにつながる気がする。














