こないだは、“営業”の話を書いたけど、ここにきて、やっと“ロス在住日本人PT”であることの強みが生かせるようになってきた気がする。
NYで勤めていたクリニックでは、何人か日本人の患者さんのお世話をさせていただく機会があったけど、最初のクリニックは、治療の最終権限があるPTではなく、PTの下でアスレティックトレーナー(ATC)として働いていたので、私が治療計画の全責任を持ってお世話をするということはなく、大々的に、「日本人スタッフがいますよ」といった宣伝をしていなかった。PTとして最初に働いたクリニックは、前も書いたけど、PTであるスイス人のオーナーがクリニックの顔で、あまり個人的に医者とコネクションを作るのを歓迎されない感じだったので、それほど営業活動もせずにいた。
ロスに移ってから、日系のコミュニティーがこれだけ大きいと、日本語と英語の話せるPTとして、活躍できる場があるだろうと、期待していた。
カリフォルニアに移って、PTが営業にもどんどん入っていくということが当たり前というPT社会の現実を知って、でもあんまり乗り気じゃなかった。営業って、正直苦手だし。ってか、やったことない。。。
前にいた(最近辞めた)クリニックでは、新規にドクターとコネクションを作って、そのドクターから患者が紹介されて来た場合、患者1人あたりにつき、100ドルのコミッションがPTのフトコロに入るというものだった。
じゃあ、もっと営業すればよかったのに、と思うかもしれないけど、前にも書いた通り、そのクリニックの経営方針にどうしても納得がいかなかった。自分が納得いってないものを、人に勧めるのは、やっぱり気が引けたし、どうせここには長くいないだろうとずっと思ってたので、下手にコネクション作ってもなあ。。。と、うじうじして、結局何もせずにいた。
しかも、前のクリニックでは、どうも、日本人であることが、マイナスと捉えられている感じがして仕方なかった。
場所柄か、患者を紹介してくるドクターの関係か、もともといる患者が口コミで友達家族を紹介してくるのか、患者層が、ちょっとユニーク。。。
私が診ていた患者さん達は、平均年齢73歳ぐらいの、ビバリーヒルズ&ハリウッド在住の白人、ユダヤ系、もしくはイラン人の人が多くて、働いてた半年の間に、日本人の患者さんには一人も会わなかった。
ちょっと偏見入るけど、それぞれの特徴といえば。
ビバリーヒルズ在住者:白人のちょっとしたお金持ちが多い。いい人も多いけど、たまには、わがままな人も。
ハリウッド在住者:俳優やエンターテイメントビジネスに関わる人が多い。普段、現実離れした「映画」「虚構」の世界にいるので、変わった人も多い。例えば、昔、女優としてフランク•シナトラだとかと浮き名を流したような人が患者さんにいて、80歳近くになった今も、昔と変わらぬ美貌と体力があると信じていて、現実には、歩くのもやっとだったり、足腰が弱っているのに、その現実を受け入れられない。人を使うことに慣れているので、PTを医療従事者ではなく、いわゆるマッサージ師&世話人として見ていて、ベッドから起き上がって立ち上がる、くつのひもを結ぶ、といった、自立するのに必要なことも、「あなたがやりなさい」と言いつけたりする。。。まあ、これは極端な例ですが。
それと、薬。マイケルジャクソンや、ホイットニーヒューストンの死が記憶に新しいけれど、ほんとに、ハリウッド界隈では、薬を常用して中毒になっている人も多い。これも、ハリウッドの悲しい舞台裏。。。
あと、ええ格好しぃが多いのか、よく考えてないのか、本音と建前をうまく使い分ける人が多くて、口ではいいよと言いながら、実は、本心ではよく思ってなかったり口先だけだったり、表面的な人が多い。
そして、何よりも多いのは、整形手術率。ハリウッド界隈では、何よりも見た目が大事!ということで、整形手術が、ごくごくカジュアルに行われているみたいで、フェイスリフトをした患者さんを何人見たか?何でわかるって、笑ったときに、頬に不自然なラインが入っていたり、アゴや耳の近くに、うっすら手術痕が見られたりするし、ある日、何か感じ変わったなあ~と思ったら、「ちょっといじったのよ」とか、今日は珍しくメガネかけてると思ったら「目をくっきりしてもらった」とか、「はれぼったいまぶたをすっきりさせてもらった」とか、もう日常茶飯事!
ひそかに、あまりにも顔の雰囲気が似てるので、ある患者さんを陰で「マイケルジャクソン」と呼んでいたこともあったし。。。
ロスは、アジア人、ラティーノ、中東系や、他の移民の人も多くて、NYに及ばないまでも、「人種の“小”るつぼ」みたいになっているんだと思っていたら、大間違いだった。
こういった白人で特にお年寄りの方々の中には、自分と同じような人種のいるコミュニティーにばかりいて、他の人種のいるところに行かない人も結構多いようで、特に車社会のロスは、街に人が歩いていることが少ないので、多種多様な人種がいても、他の人種の人と道でばったり出会うことが少ない。
だから、びっくりするぐらい、ほかの人種への偏見を持っている人もいる。
例えば、ある70歳代の患者さん。
腰痛で来ている人で、治療の参考になるから、腰痛専門の「質問表」(何分歩くと痛みが出るか、とか、腰痛のためにできないことは何かといった簡単な10項目の質問)に記入をお願いしたら、「何でやらなきゃいけないの?」とおっしゃる。「あなたの治療の参考になるからですよ」と言うと、「私の知り合いでPTに行った人、こんなの記入したって聞いたことないわよ」と言う。私が「最近のAPTA(全米理学療法士協会)の方針や、保険会社からの支払いの関係で、こういった資料が治療の進行度の助けになるんですよ」と言うと、
「それは、あんたがアジア人だから、何でも本に書いてある通りにしたいだけなんじゃないの?」
と面と向かって、言い返された。
「。。。。(苦笑)??
これは、アメリカで最新の教育を受けたPTなら、当然実施するべき質問表で、アメリカで教育を受けた私がアジア人だろうと関係なくお願いするものなんですが。」と努めて冷静に応対する。
すると、「私の友達は、誰もこんなのやったって聞かないわよ。アジア人は、何でも型通りにしようとして。。。」
この偏見はどこから来るんだろう?
ここまであからさまに、アジア人だからという差別を受けたのは、アメリカに12年いて初めてのことで、怒りというより、呆れ果ててしまった。。。
この患者さんは、同僚の黒人の子にも、
「こないだ、ナショナルジオグラフィックっていうテレビで見たけど、アフリカの先住民族って、みんなお尻が大きくて、頭にかご下げて、歩いてるのね。あなたは黒人だけど、そんなお尻大きくないみたいね。。。」
なんてことを、平気で言う。
この21世紀に、ここまで人権意識の低い人が、このロスにいるんだ、という事実に、かなりの衝撃を受けた。
そういった人たちの間で、口コミで人気のこのクリニック。
日本人PTとしての強みが生かせるどころか、それを逆にマイナスに感じることの方が多かった。
同僚の黒人の子は私によく言っていた。
「(あなたを含む)私たちは、非白人=マイノリティー(少数民族)なんだ。いくらがんばっても、白人から見れば、マイノリティー。彼らにとっては、あなたがPTのドクターを持ってようが関係ない。その中で生きて行くためには、めちゃくちゃナイスでいなくてはいけない。私たち黒人が、彼ら(白人)と仲良くできるのは、私たちが彼らに人一倍よく接しているから。それをわかっていたほうがいいよ」と。
彼女は黒人であるがために、私よりずっといろんな差別を受けてきたんだなあと思う。
患者であるユダヤ人の人に、
「きみ、すごいデキるねー。ユダヤ人だったらよかったのに」とか、平気で言われたりしたらしい。
私は、彼女の言うことは理解できるけど、彼女のように強くなれない。違う環境に入れば、マイノリティーの日本人であることを強みとして生かせることができるのに、この場所にいたら、それがマイナスにしかならない。せっかく苦労して大学院を出て、PTになったのに、これじゃあ、意味がない。
いまの職場に転職した理由は、他にもたくさんあるけれど、どうせ働くなら、自分の特性を殺すよりも活かせるほうがいいし、それが誰かの役に立つところのほうがずっといい。
そういうわけで、いまの職場で、日本人のPTとして、アメリカ人だけでなく日本人の患者さんのお手伝いもできるようになれたらいいなあと思っている。
といっても、最近始めた、営業活動、そうすんなりは行ってないけど。。。。
来週早々、職場の近所の日系ドクターのオフィスに挨拶まわりに行ってくる予定。
うまくいくかなあ。。。
NYで勤めていたクリニックでは、何人か日本人の患者さんのお世話をさせていただく機会があったけど、最初のクリニックは、治療の最終権限があるPTではなく、PTの下でアスレティックトレーナー(ATC)として働いていたので、私が治療計画の全責任を持ってお世話をするということはなく、大々的に、「日本人スタッフがいますよ」といった宣伝をしていなかった。PTとして最初に働いたクリニックは、前も書いたけど、PTであるスイス人のオーナーがクリニックの顔で、あまり個人的に医者とコネクションを作るのを歓迎されない感じだったので、それほど営業活動もせずにいた。
ロスに移ってから、日系のコミュニティーがこれだけ大きいと、日本語と英語の話せるPTとして、活躍できる場があるだろうと、期待していた。
カリフォルニアに移って、PTが営業にもどんどん入っていくということが当たり前というPT社会の現実を知って、でもあんまり乗り気じゃなかった。営業って、正直苦手だし。ってか、やったことない。。。
前にいた(最近辞めた)クリニックでは、新規にドクターとコネクションを作って、そのドクターから患者が紹介されて来た場合、患者1人あたりにつき、100ドルのコミッションがPTのフトコロに入るというものだった。
じゃあ、もっと営業すればよかったのに、と思うかもしれないけど、前にも書いた通り、そのクリニックの経営方針にどうしても納得がいかなかった。自分が納得いってないものを、人に勧めるのは、やっぱり気が引けたし、どうせここには長くいないだろうとずっと思ってたので、下手にコネクション作ってもなあ。。。と、うじうじして、結局何もせずにいた。
しかも、前のクリニックでは、どうも、日本人であることが、マイナスと捉えられている感じがして仕方なかった。
場所柄か、患者を紹介してくるドクターの関係か、もともといる患者が口コミで友達家族を紹介してくるのか、患者層が、ちょっとユニーク。。。
私が診ていた患者さん達は、平均年齢73歳ぐらいの、ビバリーヒルズ&ハリウッド在住の白人、ユダヤ系、もしくはイラン人の人が多くて、働いてた半年の間に、日本人の患者さんには一人も会わなかった。
ちょっと偏見入るけど、それぞれの特徴といえば。
ビバリーヒルズ在住者:白人のちょっとしたお金持ちが多い。いい人も多いけど、たまには、わがままな人も。
ハリウッド在住者:俳優やエンターテイメントビジネスに関わる人が多い。普段、現実離れした「映画」「虚構」の世界にいるので、変わった人も多い。例えば、昔、女優としてフランク•シナトラだとかと浮き名を流したような人が患者さんにいて、80歳近くになった今も、昔と変わらぬ美貌と体力があると信じていて、現実には、歩くのもやっとだったり、足腰が弱っているのに、その現実を受け入れられない。人を使うことに慣れているので、PTを医療従事者ではなく、いわゆるマッサージ師&世話人として見ていて、ベッドから起き上がって立ち上がる、くつのひもを結ぶ、といった、自立するのに必要なことも、「あなたがやりなさい」と言いつけたりする。。。まあ、これは極端な例ですが。
それと、薬。マイケルジャクソンや、ホイットニーヒューストンの死が記憶に新しいけれど、ほんとに、ハリウッド界隈では、薬を常用して中毒になっている人も多い。これも、ハリウッドの悲しい舞台裏。。。
あと、ええ格好しぃが多いのか、よく考えてないのか、本音と建前をうまく使い分ける人が多くて、口ではいいよと言いながら、実は、本心ではよく思ってなかったり口先だけだったり、表面的な人が多い。
そして、何よりも多いのは、整形手術率。ハリウッド界隈では、何よりも見た目が大事!ということで、整形手術が、ごくごくカジュアルに行われているみたいで、フェイスリフトをした患者さんを何人見たか?何でわかるって、笑ったときに、頬に不自然なラインが入っていたり、アゴや耳の近くに、うっすら手術痕が見られたりするし、ある日、何か感じ変わったなあ~と思ったら、「ちょっといじったのよ」とか、今日は珍しくメガネかけてると思ったら「目をくっきりしてもらった」とか、「はれぼったいまぶたをすっきりさせてもらった」とか、もう日常茶飯事!
ひそかに、あまりにも顔の雰囲気が似てるので、ある患者さんを陰で「マイケルジャクソン」と呼んでいたこともあったし。。。
ロスは、アジア人、ラティーノ、中東系や、他の移民の人も多くて、NYに及ばないまでも、「人種の“小”るつぼ」みたいになっているんだと思っていたら、大間違いだった。
こういった白人で特にお年寄りの方々の中には、自分と同じような人種のいるコミュニティーにばかりいて、他の人種のいるところに行かない人も結構多いようで、特に車社会のロスは、街に人が歩いていることが少ないので、多種多様な人種がいても、他の人種の人と道でばったり出会うことが少ない。
だから、びっくりするぐらい、ほかの人種への偏見を持っている人もいる。
例えば、ある70歳代の患者さん。
腰痛で来ている人で、治療の参考になるから、腰痛専門の「質問表」(何分歩くと痛みが出るか、とか、腰痛のためにできないことは何かといった簡単な10項目の質問)に記入をお願いしたら、「何でやらなきゃいけないの?」とおっしゃる。「あなたの治療の参考になるからですよ」と言うと、「私の知り合いでPTに行った人、こんなの記入したって聞いたことないわよ」と言う。私が「最近のAPTA(全米理学療法士協会)の方針や、保険会社からの支払いの関係で、こういった資料が治療の進行度の助けになるんですよ」と言うと、
「それは、あんたがアジア人だから、何でも本に書いてある通りにしたいだけなんじゃないの?」
と面と向かって、言い返された。
「。。。。(苦笑)??
これは、アメリカで最新の教育を受けたPTなら、当然実施するべき質問表で、アメリカで教育を受けた私がアジア人だろうと関係なくお願いするものなんですが。」と努めて冷静に応対する。
すると、「私の友達は、誰もこんなのやったって聞かないわよ。アジア人は、何でも型通りにしようとして。。。」
この偏見はどこから来るんだろう?
ここまであからさまに、アジア人だからという差別を受けたのは、アメリカに12年いて初めてのことで、怒りというより、呆れ果ててしまった。。。
この患者さんは、同僚の黒人の子にも、
「こないだ、ナショナルジオグラフィックっていうテレビで見たけど、アフリカの先住民族って、みんなお尻が大きくて、頭にかご下げて、歩いてるのね。あなたは黒人だけど、そんなお尻大きくないみたいね。。。」
なんてことを、平気で言う。
この21世紀に、ここまで人権意識の低い人が、このロスにいるんだ、という事実に、かなりの衝撃を受けた。
そういった人たちの間で、口コミで人気のこのクリニック。
日本人PTとしての強みが生かせるどころか、それを逆にマイナスに感じることの方が多かった。
同僚の黒人の子は私によく言っていた。
「(あなたを含む)私たちは、非白人=マイノリティー(少数民族)なんだ。いくらがんばっても、白人から見れば、マイノリティー。彼らにとっては、あなたがPTのドクターを持ってようが関係ない。その中で生きて行くためには、めちゃくちゃナイスでいなくてはいけない。私たち黒人が、彼ら(白人)と仲良くできるのは、私たちが彼らに人一倍よく接しているから。それをわかっていたほうがいいよ」と。
彼女は黒人であるがために、私よりずっといろんな差別を受けてきたんだなあと思う。
患者であるユダヤ人の人に、
「きみ、すごいデキるねー。ユダヤ人だったらよかったのに」とか、平気で言われたりしたらしい。
私は、彼女の言うことは理解できるけど、彼女のように強くなれない。違う環境に入れば、マイノリティーの日本人であることを強みとして生かせることができるのに、この場所にいたら、それがマイナスにしかならない。せっかく苦労して大学院を出て、PTになったのに、これじゃあ、意味がない。
いまの職場に転職した理由は、他にもたくさんあるけれど、どうせ働くなら、自分の特性を殺すよりも活かせるほうがいいし、それが誰かの役に立つところのほうがずっといい。
そういうわけで、いまの職場で、日本人のPTとして、アメリカ人だけでなく日本人の患者さんのお手伝いもできるようになれたらいいなあと思っている。
といっても、最近始めた、営業活動、そうすんなりは行ってないけど。。。。
来週早々、職場の近所の日系ドクターのオフィスに挨拶まわりに行ってくる予定。
うまくいくかなあ。。。