オリンピックでは、いま、フィギュアスケートがアツい!
演技を見ながら、よく回るなあーと、感心しちゃう。
きっとみなさん、ものすごい三半規管を持ってるんだろうなー…と思いながら、これを書いてます。

それで、ホットな話題にかけて、マニアックな話。
最近、長いつきあいの患者さんが、「めまいがする」ということで、医者から処方箋をもらってきたので、このケースを担当することになった。
めまいっていうのは、いろんな原因があるけど、耳の中にある、バランスを察知する石が、変な具合に傾いてたり、ちょっと調子が悪かったりすると、上下左右の感覚がおかしくなって、バランスがうまくとれなくなったり、自分の周りにあまりにも多くのものや情報がありすぎると(スーパーマーケットや、人の多いところとか)めまいの症状が起こるというケースがある。そして、 たぶん、あんまり知られてないけど、PTがその治療に携わることもある。
私は、ぶっちゃけ、学生時代にちらっと勉強して、実習のときにも、治療の現場を見せてもらったことがあるけど、プロのPTとして、患者を診たことはないので、まあ、専門外なんだけど。(そして、何度も言うように、私は、PT兼、アスレティックトレーナーだっていうプライドをもってるわけで。)

ただ、この60代•独身の女性、一人暮らしで寂しいからか、ちょっとうつのような症状もあったり、感情的になって時々涙を見せることもあるので、すぐに外部のPTに送るよりも、ある程度信頼関係のあるうちで(というか、私が)見た方が、いいのかもしれない、と思って、治療を始めることにした。

最初の評価は、たとえば、患者さんに、壁に45cmの間隔で書かれた2つの文字を、頭を動かさずに、目だけで追ってもらって、PTはその目の動きを観察して、ぶれたりしないかを見たり、とか。あとは、バランスのテスト。1)硬い床の上に、両足をそろえて立つ 2)やわらかい床の上に、両足をそろえて立つ 3)硬い床の上に、片足で立つ 2)やわらかい床の上に、 片足で立つ 。これを目を開けて、と、閉じて、の2パターンでやる。

バランスを取るには、3つのシステムが働いていて、目(視点を固定する)耳(三半規管)関節(足首やお尻の関節)のすべてがうまく働くと、サーカスだって、フィギュアスケートだって、できちゃうわけで(といっても、そんなに簡単じゃないけど)、目を閉じたり、柔らかい床の上に立ったり、首を振ったりすると、3つのうちのどれかが使えない→ほかの器官で補わないといけないわけで。フィギュアなんかだと、くるくる回って、視点は定まらないわ、スケートの薄い刃の上にしか重心をかけられないので、足首の強さと安定性も必要、そして、回転して降りてきたときに次、どっちへ行くかわかってないとだめってのは、やっぱり、三半規管の強さがないといけない。
こう書いてみて、やっぱり、フィギュアって、すごい!!


それで、本題に戻るけど、今日から、その患者さんの治療を始めた。
治療っていうのは、大まかにいうと、「慣れさせること」。
首を左右に振りながら、視点を固定する練習とか、バランスの練習、時には実際にスーパーマーケットに出かけて、その状況に慣れさせることもある。
でも、ただでさえ弱い三半規管を持ってる患者さんに、こういうエクササイズをしてもらうと、大概、気分が悪くなる。たまに、吐く方もいらっしゃったり…。
なかなかつらいリハビリなのです。
それでも、リハビリの予後は決して悪くはないし、なんとかうまくよくなってくれるように、今後も、患者さんの陰でこそっと教科書をめくりながら、治療を続けていくつもりです。

ちなみに、こんだけがんばってリハビリしても、まあ、キム•ヨナや、浅田真央にはなれないと思う。残念ながら。ちっちゃいときからの訓練が大事なんだろうなー。