PTの仕事を始めて、1ヶ月半ぐらい経った頃、それまで週に2回は定期的に来ていた患者さん(ヒザの手術のあとのリハビリ)が、ぱたっと来なくなった。
どうしたのかな?と思って、電話をかけてみたら、
「PTに通うのに、お金かかるでしょ。いまの感じだと、自分でジムでできそうな感じだから、もうPTに行くのやめようと思ったの」
この患者さんとは、いい関係を築いてると思ってたので、こういうカタチで治療を終了するのは、残念だった。
このことをボスに話すと、
「いい?患者さんは、みんなニューヨーカーなの。これはいい、役に立つ、と思ったら、お金を惜しまず出すし、それほどの価値がないと思ったら、さっさとあきらめて、お金を出さない。
PTの治療をするときに、とくにニューヨーカーのケアをするときは、常になぜこの治療が必要なのか、なぜ、このマッサージをするのか、なぜこの運動が必要なのか、なぜいまこれをするのか、なぜあなたは、PTに来ないといけないか、なぜなぜなぜ?の理由を、常に示さないと、患者は付いてこない。」
あらためて、ニューヨーカーをケアすることの大変さを痛感した。
それからしばらく、夏の間、多くの患者さんが休暇で、どこかに出かけたりして、私が診る患者の数は減った。
それで、ほかの「いい関係を築いてると思ってたのに、祝日のあと、ぱたっと来なくなった」患者さんが、「あなたの治療が気に入らないから、来るのやめることにした」という悪夢にうなされたりもしたけど、それはその患者さんが仕事で忙殺されてたからであり、しばらくして仕事が落ち着いたら、彼女はPTの治療に戻ってきた。
医療とはいえ、ビジネスでもあるPT。
まだまだ学ぶことは多い。