-フタツノヨルノモノガタリ-
男はただ、佇んでいた。
自分の部屋の真ん中にただ1人で立っていた。
眠りにつく気にもならず
ただ1人でじっとしていた。
男はベッドに座り込んだ。
と、そこへ1匹の白い猫がやって来ました。
「どうしてそんなに暗いの?」
白猫が問いかけると、男は
「君には、一生わからないよ」
さらに猫は、
「君は今、なにを望んでいるの?」
「…そんなのわからない」
男は答えた。
「君の名前は?」
白猫は、手元のリストを見て言いました。
「一夜(ひとや)」
白猫は驚いたように見えたがすぐにこう言った。
「一夜さん、おめでとうございます!あなたはある方の夢の準主役です!」
「は?そんなことあるわけ無いじゃん。誰の夢に出てくるっての?」
一夜は、半分驚き、半分呆れて言いました。
白猫は、話を続けます。
「あなたはその方の夢の中でその人の彼氏してます。月華(つきか)さんってご存知ですか?」
「ご存知ですかって…どうしてその人が?」
「だってー、その人の夢が君を見ているんだもん。その夢を見せて伝えるのが僕らの仕事なんだもん。あ、白猫だから悪い夢じゃないよ。」
悪い夢じゃないって言われたって…
一夜は怖かった。その人の考えていることが見えるのが。
「ではでは、彼女の夢を見て下さい」
白猫がそう言うと、白い光に吸い込まれて
何故か駅のホームにいた。
その駅には、覚えも、思い出も、思い入れも
たくさんあった。
守りたかったものも、
隣にずっと置いておきたかったものも
作り笑いじゃない本当の笑いを浮かべたことも
その駅に佇んでいる1人の少女がいました。
その少女は、何かを言いながらホームの線路際に
寄っていった。
「…どうしてなの…なんでなの…君の事本当は…
もういいや…このまま…」
そして、階段から現れたのは、僕。
僕が現れたことを月華が知ると、
「何しに来たの?」と月華は言った。
すると、僕は月華を強く抱きしめこう言った。
「僕だって、本当は別れたくないよ。事情があるんだよ。だからお願い。待っていて。事情は終わってからしっかり話すから。」
そう言って僕は消えた。
月華は泣きながら、
「何かあるなら言ってよ...もっと頼ってよ...」
と言っているのを聞いたところで夢が終わっていた。
そして、月夜は眠りについた。
そして、僕は夢を見た。
ではまた次回!

