どうやら被災地には、先生二人で行ったらしい。
県からの要請があったとかではなく、自らの志願で。

同行者は、発起人でもある部長先生。
あたしのフォンタンの手術をしてくれた先生。
麻酔をかける直前、笑いかけてくれた先生。
毎日毎日、朝一番に笑顔で病室に来てくれた先生。

こんなこと言ったら怒られるかもしれないけど、年もいってるし、夜勤とかもう長いことしてない体なんだから、先生の方が心配ってちょっと思った。
でも朝から翌日の明け方までオペとかしちゃうような人だし、患者のためなら!ってすごい精神力があるんだろうな。


年明けだったか…その若い方の先生の発案で、救急救命士が着てるような、コードブルーで山Pが着てたような、背中に病院の名前が入った服を自腹で作ってて。
作った理由を聞いたら
『よその人が見たときに、”あの!○○病院の先生なんだ!すごぉい!”って思われるやろ?』
とかおちゃらけて答えてたけど、あたしには病院への愛が感じられたんだよね。
この病院を背負って立つ!みたいな。
そしてその名に恥じない医療を提供するぞ!っていう覚悟のようなさ。

でもその時は
『この病院でしか着るとこないんやから、誰へのアピールよ!』
とか言ってたんだけど、それを発揮する時がきたんだね。
そりゃ喜ばしいことではなくて、発揮しない方が平和でいいのはもちろんなんだけど、でも避けられない事態になった時、発揮できるだけの力がある先生たちはすごいと思う。

私はうちの病院の心外の先生たちを尊敬する。
もちろん小児循環の先生も尊敬してるよ。
みんな素晴らしい。


前の記事に書いてたことが本当になったね。
あたしが先生を借りる前に、あたしが先生を貸し出す立場の方になっちゃった。

そうなって思ったこと。

あたしが今できる事は、先生たちに負担をかけないように元気でいること。
そうすれば向こうで安心して過ごしてもらえるんだから。

また気づいた、新たな気持ち。
残ってる先生も、二人の抜けた穴は大きくて負担もかかってくるだろうけど、二人の思いを胸に、心外守ってね!