今回は若手女優(?)の映画2本。

相変わらずのネタばらしっぷりなんで

観てない方は観てから読んだ方がいいかも。



まずは主演が上野樹里の「キラーヴァージンロード」。


あらすじは、結婚式の前日に事故で人を殺しちゃった花嫁が

大好きなおじいちゃんに花嫁姿を見せるまでは自首できないってんで

とりあえず死体を隠すためにドタバタしますってな話。

なめらかな心意気~Love&Peace~


監督・脚本が岸谷五郎のコメディ映画。

この映画、評判をネットで見ると90%くらいの比率で散々な酷評ww


でも俺、全然嫌いじゃないんだよね。

こういうドタバタ系シチュエーションコメディは

作り手が徹底的に悪ノリすればする程笑えると思う。

でもその悪ノリの仕方が、若干間違えちゃってるところがあって

それが許せない人には、本当につまらない映画に映るんだろうなって思う。


確かに、クスリとも笑えないミュージカルシーンとかがやたら長かったり

暴走族登場のくだりを何回も繰り返しても全く天丼的効果が無くて辟易とさせられたり


クライマックスなんて孫の結婚式を見たいがために

やたら長時間、教会におじいちゃんが一人、車イスで謎のウェイティング。

延々と孫の到着を待ち続ける・・・たった一人で・・・

いや、式の時だけ行くでしょ普通・・・

って引っ掛かりが心の中にずっとあって、

感動すべきところも全然感動できない・・・・


映画をちゃんと観てる人には、本当駄目だろうねこの映画。


でも俺、全然駄目じゃないw

ちゃんと観てないから(笑)


映画にも色々あって、

その映画に合わせて楽しみ方も色々あると思う。

ドリフの大爆笑にディテールを求めないのと同じで

コメディ映画を肩に力入れて観なくていいと思うの俺。


上野樹里のまたしても、なホンワカ系演技も悪くないし

木村佳乃のぶっとび思い込みキャラも素敵。


出来の悪い日本映画に特徴的なグダグダ感も随所に満載だけど

そういう時も他の考え事しながら観ててもいいわけでね。


いちいち目くじらたてずに見てれば

ギャグシーンとかで素直に笑える映画。

ムリクリ伏線回収とかもやってるし、素直な気持ちで笑うために観ましょう!





なめらかな心意気~Love&Peace~ なめらかな心意気~Love&Peace~

次は北乃きい主演の映画

「ハルフウェイ」。

北川悦吏子監督・脚本。

この北川悦吏子って人は本来は脚本家。


この映画を観て最初に思ったのは

「なんて自然なセリフまわしなんやろ」って事。


日本映画って舞台の演出と同じ手法とる場合が多いっていうか

セリフが不自然なのが普通。

これはテレビドラマとかでもだけど、役者のセリフが話し言葉なのに話し言葉じゃないって言うか・・

なんつったらいいか分からないけど・・・書き言葉的な話し方するイメージ。


でもこの映画のセリフは、そういう不自然さが少ない。

正直むずがゆくなるくらいに中身の無い、女子高生のガールズトークがあったり

俺らなんかが日常会話的に使ってる言い回しが普通に登場する場面が多い。


なんかコレは・・・すごい脚本だって思った。


俺の中で脚本家って、自分の脚本を大切にするイメージがあって

特に大物になればなる程、セリフは一字一句変更を許さないとか、

勝手にセリフ変えた監督と脚本家が喧嘩するとか、そんなイメージが強いわけ。


その脚本家が自分でメガフォンをとってんだから

徹底的に自然な話し言葉にこだわった脚本を書いたんやなって思ってたわけ。


ところがこの映画を観た後、ネットで情報を見てて驚いた。

俺が自然だなぁって思ってたところは、全部アドリブだった・・・

シチュエーションだけ説明して、とにかくずっと撮影を続け、セリフは全部役者まかせだったわけだ。


どうりで自然なわけだ。

で、脚本家があえて脚本を投げ出して撮影したってのが非常に面白く感じた。

岩井俊二プロデュースってのを後から知って、彼の意図だったのかな、とかね。


で、アドリブと知って振り返ると、北乃きいの演技って凄いなって思えた。

役づくりとかじゃなくて北乃きい本人そのものでやってた感じなんだけど

その存在感っていうか、セリフの軽妙さとか、ただもんじゃないなって感じ。


冒頭の体育館で倒れてから保健室で起きる事までの流れとかは

かなぁり陳腐なドラマを観てる感じだったけど、そういうのをかき消すくらい、その後の流れが良かった。


ストーリーは、ここであえて書く必要が無いくらい、

普通の高校生の、恋愛や進路に関する普通の悩み。

大人になってから考えると実にどうでもいい事がいちいち重大事件な年頃の

本当に普通の生活って感じ。

だけど、どうにも引き込まれて最後まで観てしまった。


これはいい映画ですわ。