カバンの中の整理をしたら
一番奥から丸まったTシャツが出てきた。
工事の時に服が汚れたら着替えようと思って入れておいたもの。
店の準備も一段落ついたし、もういらねぇなと思い、
何気なく取り出そうとつかんでみると
なんとも言えない奇妙な手触り。
・・・・・なんかヌルッってしてる
取り出してみて驚いた。
糸ひいてる~~Σ(・ω・ノ)ノ!
黒いTシャツだったんだけど、
味わったことのないヌルヌルの手触りで、
更になんとなく白っぽい粘膜で覆われてるような・・・・
Tシャツが腐ってる?
っていうか発酵してる???
臭いは・・・いや、そんなに無い。
わずかに、嗅いだことのない、変な匂いがするけど・・・
とりあえず、そのままゴミ箱に捨てたんだけどさ。
よ~く考えてみたんだけど、
たぶん、乳酸菌系のジュースのペットボトルののみかけを
フタをよく締めずにカバンに入れて漏れ出し、それがTシャツに沁みこんだ状態で発酵したのではないか。
他にも色んな食べ物をカバンに入れたまま数日忘れるなんてしょっちゅうなんで、
絶対とは言わないけどね。
・・・って、そこまで考えた時、偉大なる先人達の事を思い出した。
納豆とかチーズ、その他の発酵食品、または醸造酒とかって・・・
ああいうのって、こういう、偶然できた(腐っちゃったもの?)をとりあえず試食してみて、
「お?これってけっこうイケルじゃん!!」
的なのが最初だったりするんじゃないの?
もしかして新しい食品の発見の瞬間が訪れた?
食品業界の革命?
「そうだよ、こういう事だよ!」
誰もいない部屋の中でよく分かんない一人言を叫びながら、
俺はゴミ箱からヌルヌルのTシャツを取り出し、
とりあえずペロッとなめてみた。
・・・・よく分かんない。
次は勇気を出して、Tシャツの一部を口に吸い込むような感じで味わってみた。
・・・・・・・グッ、グェ~~~!!
(≧д≦)・゚゚・。
それは腐ったTシャツとしか言えない、未体験ゾーンの味!!
ゴミ箱に渾身の力で叩き込み、うがいをした成都の夜。